メンバーは、マーク・ファーナー(ギター、ボーカル)メル・サッチャー(ベース)、ドン・ブリューワー(ドラム、ベース)で、1972年からクレイグ・フロスト(キーボード)が加わった。バンド名はアメリカの鉄道会社「GrandTrunk Western Railroad 」をもじって名付けられた。
1968年頃から勃興していたハードロックのスタイルをいち早く取り入れ、1969年にアルバム『グランド・ファンク・レイルロード登場 (On Time) 』でデビューする。
レッド・ツェッペリンのアメリカ公演の前座をやった際に、その歌と演奏力で聴衆を熱狂させ、ツェッペリンを食ってしまったことにより、ロックファンの間で知名度が高まった。
1971年の来日公演は後楽園球場で激しい雷雨の中で行なわれ、伝説となった。
この時代のサウンドは71年にデビューしたドゥービー・ブラザーズに大きな影響を与えたという。
1972年、クレイグ・フロストを加えて音楽性をポップな方向に広げ、バンド名をグランド・ファンクに変更した。
1973年、トッド・ラングレンにプロデュースを委ねたアルバム『アメリカン・バンド (We're an American Band) 』を発表。同名シングル曲が全米1位を獲得する大ヒットを記録した。
ファーナーのギタースタイルは変化して、オールマン・ブラザーズのヒットアルバム『ブラザーズ&シスターズ』(1973年)に影響され、弾きまくるのではなくツインリードやサザンロック風のメロディックなフレーズを加えて、よりアメリカンロックらしくなっている。
1974 年シングル「ロコ・モーション The Loco-Motio」が全米1位。
1977年解散。
1971年来日公演のさいにはメディアで宣伝したのだろうから、ラジオでも聴いたと思う。「Are You Ready?」はイントロのボーカルが印象的な曲。前期を代表する曲。バージョンはいくつかあるが、1970年フロリダライブのライブアルバム版がベスト。「ハートブレイカー Heartbreaker」「孤独の叫びInside Looking Out」も当時ラジオでよく聴いていいと思っていたが、もたつき感があってアメリカンロックとしては歯切れが悪い。
1973 年の「アメリカン・バンド We're An American Band」は、ラジオでよく流れていた。ボーカル直前のベースリフはキャッチーだった。メロディーを含めて完璧な曲。ロック史上に残る名曲。アメリカのハードロックはブルース臭を感じさせない。
1974年の「ロコ・モーション」からは期待外れになった。
当時の「ミュージック・ライフ」の人気投票では、ギター部門でマーク・ファーナーが1位か上位だったぐらい人気があった。
前期の「Are You Ready?」などは、マーク・ファーナーの作詞・作曲でボーカルもファーナーだが、後期の「We're An American Band」は、ドン・ブリューワーの作詞・作曲・ボーカルとなった。これはトッド・ラングレンにプロデュースが代わり、彼がブリューワーの才能を認めたからという。