ニッティー・グリッティー・ダート・バンド(The Nitty Gritty DirtBand)(略称NGDB)は1966年にカリフォルニア州ロング・ビーチで結成されたルーツ・ロックバンド。R&R、フォーク、カントリー、ブルーグラスなど様々なジャンルの音楽を多彩にこなすアメリカン・ロックバンドで、80年代以降はカントリー畑でも活躍した。現在も継続して活躍中。
一般に知られる代表曲として、「ミスター・ボージャングルスMr.Bojangles」があり、CMなどで使われる。
原曲はジェリー・ジェフ・ウォーカーの作品で、1965年ごろに作られて、彼は1968年にシングル版とアルバム録音し、その後多くのカバー版が世に出た。
ビルボード・チャートで最もヒットしたのが、ニッティー・グリッティー・ダート・バンド版でアルバム「Uncle Charlie & His Dog Teddy」から1970年11月にシングルカットされ、1971年に9位とヒットした。日本でも1971年ごろにラジオでよく流れた気がする。哀愁を帯びたメロディーとそれを感じさせる歌詞は共感を呼んだと思う。
ジェリー・ジェフ・ウォーカー版は単調だが、NGDB版はメリハリの効いたロック調に仕上がっている。マンドリン、アコーディオン、ホンキー・トンク風のピアノなどを効果的に使い、ルーツ・ロック風な味を加えて、軽快で聴きやすい曲にしている。
初期のニッティー・グリッティー・ダート・バンドは当時無名だったシンガー・ソングライターの曲をロック風にアレンジして、見違えるような曲に作り替える名人芸を持っていた。
それを証明する楽曲群が1970年11月に発売されたアルバム「Uncle Charlie & His DogTeddy」で、名盤として知られる。
「プー横丁の家House at Pooh Corner」は当時無名だったケニー・ロギンスの「クマのプーさん」をテーマにした作品だが、NGDBはロック的にアレンジして聴きやすくした。ロギンス本人のバージョンからは全く想像できない出来上がりになっている。
同様に、「Some of Shelly's Blues」はカントリー・ロックの先駆者の一人で元モンキーズのマイク・ネスミスの代表曲だが、クロウハンマー・バンジョーのイントロから始まる軽快なカントリー・ロックに作り替えた。
「Livin' Without You」もニューフォークのランディー・ニューマンの曲だが、NGDB版のほうが出来がよい。
「The Cure」はメンバーのジェフ・ハンナの曲。ディラーズのスタイルを踏襲したブライトなカントリー・ロック。イントロは本格的なブルーグラス・バンジョーで始まる。