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台湾 九族文化村 タオ族(ヤミ族)野銀社(イワギヌ社)の住居

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タオ族(ヤミ族)野銀社(イワギヌ社)の船小屋。九族文化村。日月潭。
2017106日(金)。
タオ族(達悟族)はヤミ族(雅美族)ともよばれ、台湾東海岸の台東県沖にある蘭嶼島に住む。フィリピンのバタン諸島からの移住と推定される。人口は約3000人余り。
集落の多くは山を背にして海に面して築かれており、多くは半穴居の地下住居(地下屋)という特殊な景観を呈しているが、台風の季節の風害に対応することができる。
タオ族は台湾原住民の中で唯一の海洋性民族であり、また台湾の各先住民族の中で唯一首狩りの風習が無かった最も平和的な民族でもある。
伝統的には主要な漁獲物であるトビウオ、シイラや太陽や月を神格化したアニミズムを持つ。
 
野銀社(イワギヌ社)は現在の蘭嶼郷東清村野銀にあり、東清湾に面する。戦前の戸数は61戸、人口245人。伝承では、島外から移住後、さらに移住して1460年ごろ現在地に移住したもので当時の戸数は30戸、人口150人であったという。
現在の蘭嶼では唯一地下屋が密集いて残っている地区となっている。
 
船小屋はチヌリクランなどとよばれる伝統的な漁労用ボートを収納するための小屋で、海岸近くに、地面を掘るか、石を積み上げて壁を造り、屋根を付けた半地下式の船小屋を作り、収納している。
  
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タオ族野銀社の船小屋。上部。
屋根は丸太または太い竹を交差して、これに棟木を架した切妻葺き屋根である。
 
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九族広場とタオ族の漁労用ボート。
上空には園内用のロープウェーが運行している。
 
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九族広場とタオ族の漁労用ボート。
漁労用ボートは大型船と小型船に分類される。チヌリクランとよばれる大型船は6810人乗りで共同作業用、ピカバガンなどとよばれる小型船が1~3人乗りで小規模の漁労用である。
特にチヌリクランと呼ばれる漁労用のボートを作る場合には伝統的な意匠が施され、完成時には進水祭(ミチ・チヌリクラン)が行われる。この祭礼時には男たちは独特の威嚇的な表情と身振りを行う。
 
チヌリクランは竜骨を持つ寄せ板造りの船で、木釘を用いて固定する。船外に彫刻し、赤、白、黒の3色で装飾を施し、伝統的な着色原料として、赤はベンガラ、白は貝殻、黒は煤を用いた。
模様の意匠は6つある集落毎に異なり、また、所有者が認識できるようにもなっている。
舳先とともが大きくそりあがっていることが特徴で、先端にはモロン(Molon)と呼ばれる彫金と羽根の飾りを取り付ける。側面にオールを固定するための突起があり、航海には人力で漕ぎ出す。
 
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オ族の風俗。
伝統的には男性は編み笠とふんどし、独特のベストを、女性は腰巻きを着用していたが、現在は祭礼の時などに見られるのみである。また、円錐形の金属製の兜と、悪魔避けの刀も正式な場では必須である。武装は、集落ごとにトビウオ漁の水域争いや土地争いで闘争が多かったことの名残でもある。
 
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タオ族野銀社の作業小屋。
1941年に千々岩助太郎が調査した記録により復元されている。
 
タオ族の住居は主屋、作業小屋、涼台からなり、産室を付属するものもある。
主屋および産室は半地下式、作業小屋は平地式であるが地下室を有し、涼台は高床式である。
作業小屋および涼台は主屋の前面または側面の広場に建てられる。
 
作業小屋は昼間の作業場として用い、炎暑の季節は寝室として用いられることもある。地上に低く建築し、物置用の地下室を設ける。
単室、板張りの床で、妻入り茅葺が標準である。
 
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タオ族野銀社の作業小屋。前壁の装飾。
 
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タオ族野銀社の涼台。
涼台は昼間の涼み場として広場の通風のよい位置に造られている。炎熱のときは食事または作業などにも用いられる。高床式で木梯子で昇降する。
 
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タオ族野銀社の涼台。女子が織物をしている。
 
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タオ族野銀社の住居。主屋。地下屋。
主屋の敷地は防風のため地盤面から深く掘り下げられ、屋根の棟が地上に露出する程度である。数段の石段によって下り、主屋の四周には狭い空地が設けられている。
屋根は茅葺きで、竹で固定していた。平入りで、前面に縁側があり、屋内は前室と後室に分かれ、各室は階段式に昇っている。
前室は子供の寝室で、後室には中程に親柱が立っており、その前部は主人や老人の寝室として用い、後部は土間で竈や棚が置かれている。
天井が低いので立つことはできない。
 
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ヤミ族住居主屋の標準断面図。(千々岩
1960)。
 
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ヤミ族イワギヌ社。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。配置図。主屋、作業小屋。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。主屋。前面。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。主屋。平面図。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。主屋。断面図。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。主屋。縁側。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。主屋。前室。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。主屋。前室。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。主屋。後室。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。作業小屋。側面。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。作業小屋。平面図。(千々岩
1960)。
 
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イワギヌ社シヤマン・シルカップの住居。作業小屋。断面図。(千々岩
1960)。

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