2017年10月9日(月)。
樟脳寮駅は、嘉義から23.3km、海抜543mにある。
阿里山森林鉄道の白眉は独立山の「スパイラル線」である。スパイラル線とは、勾配と曲線半径を与え、らせん状に線路を敷設することで、同じ場所で標高を稼ぐ構造である。この設計を担当したのが、阿里山開発の父である河合琴山博士である。入念な調査を基に、独立山の地形的特徴を見極め、複雑で独創的なスパイラル線を生み出した。10箇所(全長1.4km)のトンネルを配置し、標高差184m、全長約4.4kmを右回りに2周し8の字に回って登頂する。世界中どこを探そうとも、独立山のようなスパイラル線を見つけることはできない。
独立山駅は嘉義から27.4km、海抜743mにある。
列車が独立山を3周回る間に、左の窓から樟脳寮駅を2回、右の窓から1回見ることができる。
実際は、下がわずかにしか見えないため、なかなか実感できなかった。
梨園寮駅から交力坪駅までの間は、唯一トンネルがない登山区間で、また、33km地点でコンクリート、鋼構造の新旧2代の橋の変遷を見ることができる。
交力坪駅は、海抜997mにあり、嘉義からの距離は34.9km。阿里山森林鉄道本線の中間地点である。列車の交換駅であるが。実際に、この時間帯では列車を交換するわけではない。
まもなく発車した。
バス停で待っていると、阿里山方向から列車が入線していった。
長時間待っていたらしい白人青年が、近くの屋台で軽食を買い、渋滞している道路を歩いて下っていったのが気になった。そのうち、個人旅行している日本人男性が3人となり、みんなでおかしいと話しあった。そのうち、一人が台湾人から聞いたのか、下の広場にバス停が変わったと、言ったので、3人で下の広場へ急いで向かった。
長蛇の列ができていたので心配したが、何とか13時ごろにはバスで阿里山へ向かうことができた。
10月9日は月曜日なのだが、国慶節のため休日で、そのため人出が多く、また、休日ダイヤなので奮起湖駅から嘉義駅行きの中興号が入線していったと分かった。