2017年10月12日(木)。
台鉄嘉義駅7時37分発、斗南駅8時01分着の屛東駅始発斗六駅行きの区間車に乗車した。
前日まで嘉義に5泊して嘉義周辺の観光を終え、本日からは台北まで台湾中部各地の2日間の観光旅行となる。本日は、虎尾、彰化を見学し、鹿港で泊まる行程。
駅前通りにある台西客運バス停から、8時20分発の虎尾方面のバスに乗車した。
斗南駅から15分余りで台西客運虎尾のバス停に着くと、目の前に旧虎尾合同庁舎と旧虎尾郡役所(雲林布袋戯館)があった。
旧虎尾合同庁舎は日本統治時代の1939(昭和14)年に建てられた合同庁舎で、鉄筋コンクリート造2階建一部4階建の建物である。落成当初は派出所、消防組、公会堂として使用され、戦後は消防署として使用されていた。中央の高い部分は火事を発見するための哨楼として使用された。
2001年に県の歴史的建造物として登録され、2006年12月にはリノベーション工事が完了した。2014年から南側をスターバックス、北側には誠品書局が入居している。
虎尾については、歩き方の巻頭ページに糖都「雲林・虎尾」として2ページにわたり紹介されていたので、観光することにした。
10時30分から21時30分まで開館だったので、入場しなかった。
創建は昭和14年(1939年)。虎尾合同庁舎、虎尾郡役所(現・雲林布袋戯館)、郡守官邸(現・雲林故事館)がセットとなっている。虎尾合同庁舎は警察分室、消防組合署を主要用途とし、公会堂としても使用された。
中央高塔の頂部に、当時最も高い建築地点となる瞭望台を設けた。
道路の反対側にある。のちほど、見学することにして、まず旧虎尾駅方面へ向かった。
中山路の街並みを抜けると、鉄道の踏切があり、製糖工場の広大な敷地の端に続く道路脇には、鉄道線路のあるミニコーナーがあった。
日本統治時代の八角給水塔(旧虎尾街貯水塔)などもある。
台湾総督府第4代総督児玉源太郎(1898年着任)及び民政長官後藤新平は、台湾植民政策の中心を産業振興ならびに経済の資本主義的発展に置き、その中心を糖業奨励に置いた。後藤新平は新渡戸稲造を招聘し、殖産局長心得となった新渡戸は1904年に製糖事業の方向性を定め、糖業は発展していった。
サトウキビを収穫して糖廠(製糖工場)へと運搬する専用線から産業用軽便鉄道の運営が始まった。軌間は762mmで、別称として台湾精糖鉄道、糖鉄、五分車(標準軌に対して半分の軌間だから)等がある。作業従事者や沿線住民のために旅客扱いも行った。
1902年に高雄の橋頭精糖工場が敷設したのを筆頭に各地で建設された。この頃は全ての路線が各精糖会社の所有する路線で、各路線間の連絡はなかった。
戦後、国民政府は日本資本の接収と砂糖の半専売化を進め、1946年国営の台湾糖業公司を発足させ、各路線も台糖に属した。そして全路線の連絡を目的とした南北平行予備線を敷設し、ほぼ全ての製糖工場と連絡するようになり、台湾南西部を中心に最盛期は数百kmの路線網があった。
しかし台糖の業績不振や輸送手段の発達により徐々に縮小され、1982年嘉義線の嘉義 - 北港間の廃止をもって旅客営業は終了した。
2001年以降、渓湖糖廠、烏樹林糖廠、新営糖廠、高雄糖廠、南州糖廠など、製造をしなくなった製糖工場を観光施設に変えると同時に、周辺の一部区間を観光鉄道として復活させた路線も存在する。
サトウキビ列車を現在も運行しているのは虎尾糖廠の馬公厝線だけである。
虎尾駅の創建は製糖工場が創建された1906年と同時期とみられるが、確かではない。元々、「五間厝」駅と呼ばれていたが、1920年に虎尾駅と改名した。歴史資料で確認できるのは1929年である。日本統治時代、虎尾駅一帯は虎尾で最も栄えており、何本もの路線が乗り入れ、交通拠点の役割を果たしていた。製糖工場へサトウキビを運ぶのはもちろん、旅客も斗南まで運び、そこから人々は縱貫線に乗り換え、南下または北上していった。虎尾駅は製糖業衰退に伴い、1975年に廃止された。
その後、雲林県の古跡に指定され、2009年までに修復工事が行われて、ビジターセンターとして営業が開始された。
斗南駅と田中駅の間に、虎尾駅など6駅があった。虎尾駅からは北港駅までの路線が接続していた。南州駅からは二林駅までの路線があった。
虎尾駅。展示されている蒸気機関車332号。
これは332号だが、翌日見学した苗栗の鉄道文物展示館にあった同型のシュガートレイン331号機関車は日本車両製造製で、1935年に製造され、虎尾糖廠に配置されたと記されている。
ビジターセンターは9時からの営業である。歩き方には、レンタサイクルが無料と書いてあったので、申し込むと有料50元であった。自転車で周遊する気になっていたので、仕方なく支払った。
返すときに、商品のアイスキャンデーを買おうとしたら、無料で差し上げます、と言われて、少しは回収できた。
このあと、自転車に乗って、虎尾鉄橋や虎尾郡役所(現・雲林布袋戯館)、郡守官邸(現・雲林故事館)、滴水閣を見学した。