ロス・ロボスLos lobos 「la bannbaラ・バンバ」 1987年
ロス・ロボスは1974年にロサンゼルスで結成されたロックバンド。メンバーはメキシコ系アメリカ人で、ロックにメキシコ音楽の要素を取り混ぜたサウンドが特徴。「ラ・バンバ」のヒットで知られる。バンド名は、スペイン語で「狼たち」を意味する。
1983年にメジャー・デビュー。メキシコ音楽とロックンロールを混ぜ合わせた今日のサウンドの原点というべきサウンドを聴かせた。
1987年、17歳で夭折したヒスパニックのロックンロールスター、リッチー・ヴァレンスの生涯を描いた映画「ラ★バンバ」の同名主題歌が全米1位となった。ロス・ロボスは、このヒットでヒスパニックのバンドとしては抜群の知名度を獲得した。
「ラ・バンバ」の原曲はメキシコ東海岸の港湾都市ベラクルスで300年以上昔から歌われていた民謡で、メキシコ民族音楽とキューバのソンがベラクルスで独自に発展した「ソンハローチョ」とよばれる音楽の一つである。スペインのフラメンコやアフリカ系メキシコ人のリズムなどが取り入れている。
ラ・バンバは、ベラクルスの結婚式でよく演奏され、赤く長いリボンを用いた踊りが踊られていた。
Para bailarla Bamba
Para bailarla Bamba
Se necesitauna poca de gracia
Una poca degracia y otra cosita
Y arriba yarriba, Y arriba y arriba
Por tiseré, por ti seré, por ti seré
Yo no soy marinero. Yo no soy marinero.
Soy capitán. Soy capitán. Soy capitán.
Bamba, bamba...
ラ・バンバを踊るなら、
ラ・バンバを踊るなら、
上品さはちょっとでいいんだ
ちょっとだけ品がよくって、あとはそうだな、
上へ、上へ、上へ、上へ
君のためなのさ、君のためなのさ、君のためなのさ
僕は水夫じゃないよ、僕は水夫じゃないよ
船長さ、船長さ、船長さ
バンバ、バンバ...
「ラ・バンバ」という名前は、スペイン語の動詞 bambolear(「ゆらめく」「よろめく」などの意)によると考えられている。
リッチー・ヴァレンスによる1958年の「ラ・バンバ」は、ソンハローチョのものをロックンロール調にアレンジしたもので、初期ロックンロールを代表する曲と言われるほどの大ヒットソングであった。ヴァレンスの死後、全米22位を記録した。
リッチー・ヴァレンス(1941年~1959年)は1950年代後半に大ブームを巻き起こしたロックンロールのスターの一人。
1958年にスカウトされて「カム・オン・レッツ・ゴー」でデビュー。続いてセカンド・シングル「ドナ」「ラ・バンバ」をリリースした。
1959年2月3日、アイオワ州でのツアー後に搭乗した飛行機が悪天候により同州のトウモロコシ畑に墜落、同乗していたバディ・ホリーらと共に死亡した。17歳没。
ロス・ロボスの「ラ・バンバ」は、1987年ヴァレンスの伝記映画『ラ★バンバ』の主題歌として、カバーされた。映画は音楽監督をカルロス・サンタナがマイルズ・グッドマンと共に務めたこと、そしてヴァレンスと同じメキシコ系アメリカ人バンド、ロス・ロボスが音楽を担当したことが話題となった。
1987年8月ビルボード1位。世界的にも大ヒットした。
数多くある「ラ・バンバ」のカバーの中でビルボードのシングルチャートで1位になったのは、このロス・ロボスのヴァージョンのみである。
リッチー・ヴァレンスの「ラ・バンバ」は1960年代の日本でもよく知られていた。GSのスパイダースが「ラ・バンバ」を演奏するときは、堺正章が「番場の忠太郎」と叫ぶのが定番であった。
ロス・ロボスの「ラ・バンバ」は、80年代風に蘇った明快なロックンロールで、力強いギターとボーカルが爽快だった。
1980年代後半はメキシコ系ロックスタイルとしてテックス・メックスがアメリカで流行した。テキサス・トルネードーズが有名で、ロス・ロボスやライ・クーダーなどもその影響を受けている。
メキシコ東海岸の港湾都市ベラクルスには、数時間観光したことがあるが、この曲の故郷だとは知らなかった。
ベラクルス メキシコ湾の港市 コルテスの征服基地。