現代のロックはジミ・ヘンドリックスとクリームによりロンドンで生まれた。そのあとを継いで、ハードロックを築いたのが、レッド・ツェッペリンであると認識している。
エリック・クラプトンはジミ・ヘンドリックスのライブを聴きに行って音造りの参考にしたと自ら言っているので、ジミ・ヘンドリックスの方が師匠だったといえる。
二人を代表する曲が「Purple Haze」と「White Room」で、どちらもリアルタイムでラジオから聴いてサウンドの斬新さに驚かされた。日本ではどちらが先だったか覚えていない。英米でヒットしてから日本でシングル化されるのが普通だったはずだ。
「Purple Haze」は1967年3月に英3位。1967年10月に米65位。
「White Room」はシングルとして米で1968年9月発売、6位。英で1969年1月発売、28位。
日本では「Purple Haze」は1968年始めか半ば、「White Room」は1968年暮か1969年初めだろうか。
両曲ともロックの歴史を変えた衝撃的・革命的な神曲である。
クリームのもう一つの代表曲「Sunshine of Your Love」はシングルとしては、米では1967年12月発売、1968年1月36位。8月5位。英では1968年9月発売、25位。しかし。日本では「White Room」のあとに紹介された曲だと思う。
「Strange Brew」「Spoonful」「Crossroads」もその後、ラジオで聴くようになった。
しかし、ライブ盤などの長尺ものは、ラジオで流されることは少なかったので、アルバムを購入するしかなかった。
私が1972年に大学入学後、ようやくバイト代を貯めて購入したのが、「Live Cream Vol.Ⅱ」(1972年)だった。おそらく、「Live Cream」と比較検討したはずで、こちらの方には、「WhiteRoom」と「Sunshine of Your Love」が入っていることが決め手になったはずだ。
「Live Cream Vol.Ⅱ」は名盤だ。よく聴いた。
「Deserted Cities of the Heart」は、テンポが良く快適なハードロック。ボーカルもギターも快調。隠れた名曲。
「White Room」はスタジオ版より見事なクラプトンのアドリブライブ版。
「Politician」は、ジャック・ブルースの歌とベースが冴えている。
「Tales of Brave Ulysses」は重厚感がある変わった曲調。クラプトンのワウワウソロもいい。
「Sunshine of Your Love」は見事なライブ版。
「steppin out」は「Hideaway」と誤記された。インストだけなので記憶がない。ギターソロが延々と続く。
最後の1曲を除き、最高の出来である。
前作「Live Creamライヴ・クリーム」(1970年)のアマゾンでのクチコミで、こちらが最高のライブという人が多かったので、youtubeで聴いてみた。
「Sleepy Time Time」 ギター もたつき感がある。
「Sweet Wine」 ややスムーズになっている。
「Rollin' And Tumblin」' イントロのジャック・ブルースによるブルースハープからブルース感が濃厚。マディ・ウォーターズの曲。本家の方がいい。イギリス人にありがちなブルース解釈。しかし、こういうスタイルがブルースロックの定型的な演奏スタイルとなった。
全般的に習作・若描き。散漫。リフの幅、スケールが小さい。後代のギターソロへのアイデアの種はちりばめられているが、歌部分のメロディーがいけてない。こちらは、「フレッシュクリーム」の曲のブルース中心のマニアックな仕上がりであるという評価とおり。
やはり、Ⅱの方がクリームの代表曲的な楽曲のライブ版となっていて、名盤といえる。
「レイラ」のように、歌部分のメロディー、ギターソロフレーズのアイデア、美しくインパクトがあると、快感が生まれる名曲・名演となる。ここには、それがある。
youtubeは残念なことに音レベルが悪くて、割れている。
ライナノートを書いた大貫憲章氏は当時21歳。