Quantcast
Channel: いちご畑よ永遠に
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1170

ロックの名曲 ザ・バンド 「The Night They Drove Old Dixie Down」ジョーン・バエズ

$
0
0
                                  2812秒から
 
歌詞も分からないのに魂をゆさぶられる曲というのは誰しもある。名曲とか有名曲でもなくても、アルバムを聴いていると必ずある。それが、ザ・バンドThe Bandのロビー・ロバートソンが作詞作曲した「The Night They DroveOld Dixie Down」だ。1969年の第2作アルバム「The Band」に収録されている。
 
以前から気になっていたこの曲がどう受け止められているのかと、昨日ネットで検索したら、「TheNight They Drove Old Dixie Down もしくは華氏65度の冬」という記事があった。
1992年、ボブ・ディランのデビュー30周年記念コンサートがNHKで放映された時、中学生だった私は、エリック・クラプトンに紹介されてステージに上がってきた「ザ・バンド」という名前のバンドに、なぜか心を惹かれるのを感じた。・・・・ボブ・ディランとザ・バンドの連名の"Before the Flood"(邦題「偉大なる復活」)という二枚組のライブアルバムが最初に買った洋楽のCDとなった。そしてその10曲目に入っていた「オールド・ディキシー・タウン」という曲に、14歳の私は文字通り魂を奪われてしまった。」
しかし、歌詞カードが間違いだらけでこの人はそれから、歌詞の謎解きに邁進し、洋楽歌詞和訳のブログを開くまでになったのだが、「タウン」ではなく「ダウン」というのは誤解で、「華氏65度」が1865年だったということが判明し、以後ネットで歌詞本来の意味を追求し続けた顛末が書かれていた。
 
この番組は私も見ていて、ニール・ヤングの「ウォッチ・タワー」にひどく感動し、ニール・ヤングを聴きなおすきっかけとなったが、ザ・バンドは記憶に残っていない。
しかし、「The Night They Drove Old Dixie Down」に魂を奪われた日本人がいることに感動する。
 
ザ・バンドについては、名曲の「ザ・ウェイト(The Weight)」(1968年)が感動的だった。リアルタイムなのか、映画「イージー・ライダー」の挿入曲として注目された1969年・1970年かそのあたりだろう。
1978年ごろ、名盤「Music from BigPink」を購入し、映画「ラストワルツ」も1978年公開時に見た。
そのときに、「The Night They Drove Old Dixie Down」も演奏されていたのだが、記憶に残らなかった。
 
私が、「The Night They Drove Old Dixie Down」に惹かれたのは、19731月にカンサス・ステート大学で行われたライブを収録した映画のサウンドトラックのアルバム「バンジョーマンBanjoman」に収録されたジョーン・バエズJoan Baezのカバーである。このアルバムは1977年日本で発売され、当時入手してよく聴きこんだ。
 
そのうち、ジョーン・バエズの「THE NIGHT THEY DROVE OLD DIXIE DOWN 」がすごく心に沁み込んできた。曲というのは、バージョンやテイク違いで、随分印象が違ってくる。小倉エージのライナー・ノートにオリジナルはザ・バンドと書いてあるが、気に留めていなかった。
 
you tubeで聴き比べてみると、ジョーン・バエズのシングル盤などのテイクより迫力がある。映画「ラスト・ワルツ」での本家の演奏はテンポがスロー過ぎて残念な仕上がりになっている。スタジオ版は歌い方のテンポが速く平板だった。やはり、ジョーン・バエズの「バンジョーマン」での歌唱には深みがあり、一番感動的だった。
 
最近youtubeでようやく、「Banjoman」全体がアップされ、ジョーン・バエズの「THE NIGHT THEY DROVE OLD DIXIE DOWN 」が聴けるようになった。2812秒から収録されている。

リヴォン・ヘルム とジョーン・バエズを比べると、肝心の「The Night They Drove Old Dixie Down」の部分の節回しが大きく違う。バエズが正調だと思って聴いてきたので、リヴォン・ヘルムのメロディには違和感がある。リヴォン・ヘルムがバエズのバージョンを嫌っていたのもうなづける。
バエズは録音時、歌詞を文字ではなく聞き覚えで歌ったので、"Stoneman's cavalry"を"so much cavalry"と間違えた。のちの演奏では訂正しているという。
 Georg  Stonemanは北軍騎兵隊の将軍でのちにカリフォルニア州知事になった。
ジョージ・ストーンマンのWIKIでも、題名を「彼らが古いディキシーを走った夜」と誤訳している。

私の場合、歌詞カードで「‘65年の冬」とはっきり読めたので、大枠は誤解することはなかった。南北戦争で敗れた南軍兵士が1865年冬の夜とぼとぼと敗走する情景が浮かんできた。しかし、全体を理解していたわけではない。
drive downは道を歩くという意味ではなく、(北軍が南軍を)追い払うという意味という。

youtubeでは、南部人のプライドや魂まで失ったわけではないと、南部人が南軍を憧憬する歌ととる人が多い。戦争の悲惨さを歌ったともとれる。
「ロバート・E・リー」のくだりは、将軍本人のことではなく、ミシシッピ川の木材運搬船の船名だというコメントがあった。

この歌にはホメロスの叙事詩のような感動がある。日本だと平家物語か。
 
youtubeでのコメント。
 
This is one of the most emotionally powerful songs I've ever heard.  I'm not a Southerner.  I grew up in New York, I have no lineage whatsoever, but I feel this song right in the core of my fuckin' soul.  Brilliant stuff.
I live in the south and this is a very emotional song for me
I love this 1971 Joan Baez hit, which peaked @ #3 on Billboard's Hot 100 singles chart!

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1170

Trending Articles