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Channel: いちご畑よ永遠に
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ロックの名曲 ザ・バンド 「ザ・ウェイト(The Weight)」

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ザ・バンドThe Band は、アメリカのロック・バンド。1976年に解散。前身はカナダ・トロントのロカビリー歌手ロニー・ホーキンスのバックバンドで、1958年から1963年までにメンバーが揃った。1964年にホーキンスと別れてホークスとして独立。1965年ボブ・ディランのバックバンドとなる。1967年、ニューヨーク近郊でディランと非公式は録音を重ねる。1968The Bandと名乗って活動開始、アルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」を発表。高い評価を受ける。ディランとは1974年までライブで共演した。
メンバーは、カナダ人のロビー・ロバートソン(ギター)、リチャード・マニュエル(ピアノ)、ガース・ハドソン(オルガン)、リック・ダンコ(ベース)とアメリカ人のリヴォン・ヘルム(ドラム・ボーカル)。
 
スタジオ制作を重視するロビー・ロバートソンとライブを重視する他のマンバーが対立し、ロバートソンは1976年、ライヴ活動の停止を発表する。
19761124日、サンフランシスコのウインターランドでラスト・コンサートを行なう。コンサートにはホーキンス、ディラン、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル、マディ・ウォーターズ、ドクター・ジョン、ヴァン・モリソン、リンゴ・スター、エリック・クラプトン、ロン・ウッド、ポール・バターフィールド、ニール・ダイヤモンドら多数の大物ミュージシャンが参加した。コンサートはマーティン・スコセッシにより映画化され、「ラスト・ワルツ (The Last Waltz)」として公開(米19784月、日19787月)された。
 
ロビー・ロバートソン(1943~)はトロント生まれ。父はユダヤ人、母はモホーク族インディアン。
19646月、ボブ・ディランは友人のブルース歌手ジョン・ハモンドjrが「So Many Roads」のセッションで、ハモンドがトロントで発見したロビー・ロバートソンが演奏するのを見ている。ハモンドはマイク・ブルームフィールドとのツインギターを望んだが、マイクはスタジオでロビーのギターを聴くなり、ピアノを弾くことにした。それくらいロビーのギターは素晴らしかったと、ハモンドは語っている。
 
アルバム「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンクMusic from Big Pink」(1968年)。
1970年代の音楽雑誌ではロック史上に輝く名盤として必ず採り上げられていた。
ジャッケトの表紙絵はボブ・ディランによる。
カントリー、フォーク、ブルース、ソウルなどのルーツ・ミュージックに深く根差したアーシーで粘っこいサウンドは、カラフルなポップさが持て囃されたシーンの潮流を一瞬で変えてしまった。(
黒人音楽と白人音楽とが融合したサウンドを作り上げ、独特の渋さを持つ曲が全編を覆っている。
 
エリック・クラプトンは、『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』を「人生を変えたアルバム」と評しており、1976年に発表されたクラプトンのアルバム『ノー・リーズン・トゥ・クライ』にはザ・バンド全員が参加している。
クリームの高い演奏力を持つ3人だけのライヴは、極度の緊張を強いた。「果たし合いのよう」とも形容されたそのパフォーマンスに観客は熱狂したが、クラプトンは心身ともに疲れ、「もう降りたい」と思うようになった。
まさにその時期、68年初夏、彼は「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」を聴き、強烈な衝撃を受けた。打ちのめされた。後年クラプトンは、あるイベントでザ・バンドを紹介する際、「彼らは僕の人生を変えた」とまで語っている。
オーガニックなハーモニーとでも呼ぶべきか、そこで彼らは、抑制された演奏で、なによりも歌そのものを大切にしていた。「ザ・ウェイト」や「ティアーズ・オブ・レイジ」など、味わい深く、物語性豊かな歌の数々は、クリームと対極にあるものだった。クラプトンは自分たちの音楽を「愚かで、とるにたらないもの」とまで感じたという。
 
ザ・バンドについては、名曲の「ザ・ウェイト(The Weight)」(1968年)が感動的だった。リアルタイムなのか、映画「イージー・ライダー」の挿入曲として注目された1969年・1970年かそのあたりだろう。日本のラジオでもよく放送された。

私は名声につられて、1978年ごろLP「Music from Big Pink」を購入した。しかし、「TheWeight」と「I Shall be Released」しか、いいと思わなかった。今回、数曲聴きなおしたが同じだった。力み、肩に力が入り過ぎていて、リラックスして聴けない。

 
The Weight」は適度にバランスのとれた名曲だった。andとボーカルが重なっていく部分が心地よい。ボーカルはやはり重苦しくもあるが、ホンキートンク風のピアノが軽く、南部風に全体の雰囲気を包んでいる。
 
作詞作曲はロビー・ロバートソン。スペイン出身の映画監督ルイス・ブニュエルの作品に影響を受けて書かれた楽曲である。「ブニュエルは聖人であることの不可能性を多くの映画で表した。『ビリディアナ』や『ナサリン』に描かれているように、人々はみな良き人であろうと望むが結局は自分のやりたいことしかやらない。『ザ・ウェイト』も同じことさ」とロバートソンは述べている。
 
旅人がナザレスという町に着いて出ていくまでを歌う。ナザレスは聖書にある地名だが、ロビーによればマーチン・ギターの生産地であるペンシルバニア州ナザレスのことと言っている。ロビーがリボン・ヘルムが育った聖書信仰地帯であるアーカンソー州などアメリカ南部を訪れたときの体験を題材にしたもの。
人生の重荷を歌ったものらしいが、人によってさまざまな解釈ができる曲である。
 
アレサ・フランクリンのカバーを聴いたが、騒々しい。ザ・バンド版のしみじみさの方が味わい深い。
 
映画「ラストワルツ」も1978年ごろの公開時に見た。
ロビー・ロバートソンが仕切っていて、この人がメインのバンドだったのかと思った。
ガース・ブルックスが厳格な家庭に育っていて、両親をなだめ誤魔化すことに苦労した話が印象的だった。
ロビー・ロバートソンのギターはなかなか良かった。
地味なバンドと思っていたが、聴かせるライブもできるバンドだったんだと見直した。
ゲスト陣も豪華でコンサートライブの映画としては満足した。
 

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