クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(Creedence ClearwaterRevival、略称CCR)は、アメリカ・サンフランシスコ出身のロックバンド。カントリーとR&Bをミックスしたシンプルでストレートなロックを演奏した。
ジョン・フォガティが作詞・作曲、リードボーカル、リードギターをこなし、彼のワンマンバンドであった。ジョン・フォガティの骨太のギターサウンドと野太い吠えるようなボーカルは独特のものであった。
ジョン・フォガティは1945年サンフランシスコ・ベイ・エリアの学生町バークリーで生まれ、両親の離婚後、シスコ近郊で暮らした。1959年、リトル・リチャードやボー・ディドリーなどのロックンロールに影響を受けたバンドを結成し、1964年にレコードを発売した。1966年徴兵されアメリカ各地の陸軍基地で勤務後、1967年7月に除隊した。
1968年1月にバンド名をCCRに改名。1968年のシングル「スージーQ Suzie Q」はデイル・ホーキンスのロカビリーのカバーで全米11位とヒットした。次のシングルはR&B歌手スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユーI Put A Spell On You」であった。
1969年春「プラウド・メアリーProudMary」B面「ボーン・オンザ・バイヨウBorn on the Bayou」が全米2位と大ヒットし、日本でも5月に発売された。彼らにとっては初のトップ10ヒットだった。ジョン・フォガティは、カリフォルニアの生まれ育ちで、南部の川船に乗ったことも、見たこともなかったが、想像でこの曲を作り、南部風のアクセントでこの歌をうたった。ラジオで聴いた人からは、南部の黒人がうたっていると思われることも多かったという。印象的なイントロのくりかえしは、ベートーヴェンの「運命」からヒントを得たという。
その後も1969年「バッド・ムーン・ライジングBad Moon Rising」、「グリーン・リヴァーGreenRiver」「ダウン・オン・ザ・コーナーDown on the Corner」、1970年「トラヴェリン・バンドTravelin' Band」「アップ・アラウンド・ザ・ベンドUp Around the Bend」「ルッキン・アウト・マイ・バック・ドアLookin'Out My Back Door」、1971年「雨を見たかいHave You Ever Seen the Rain?」とヒットシングルが続いたが、5曲が2位になっただけで、1位の曲はない。
当時流行していたブルースロックやサイケデリックロック特有の長い演奏ではなく、シングルヒットを志向したという。
サザン・ロックの元祖とはとても言えないが、南部を想像した音楽が間接的な影響を与えたとはいえる。
前途洋々かと思われたCCRだったが、楽曲のほとんどを作曲し、サックスからピアノまで自分で演奏するジョンの才能に注目が集まりすぎた故にメンバー間の軋轢が生じ、1971年に兄のトム・フォガティが脱退。1972年に発表した7枚目のアルバム「マルディ・グラ」は、失敗作に終わり、バンドはおよそ4年で解散した。
ジョン・フォガティはバンドを装った一人多重録音の『ブルー・リッヂ・レインジャーズ』(1973年)と、『ジョン・フォガティ』(1975年)を発表するが、レコード会社と楽曲の著作権にかかわる訴訟に巻き込まれたため、CCR時代の楽曲が唄えなくなってしまった。また訴訟関連に嫌気が差したことも影響して、音楽活動に消極的になり隠遁状態が続いた。、1985年に『センターフィールド』を発表、ミリオン・セラーを記録し、1997年『ブルー・ムーン・スワンプ』では、グラミー賞を獲得した。2007年、訴訟問題が解決したジョンは、CCR時代の曲を様々なゲスト・ミュージシャンと共に再演している。
私が、1977年に初めて中古のマイカーを購入して中古のカーステレオを取り付け、最初にカセットで聴いたのがCCRの数曲だった。
初めてCCRを聴いたのは1969年5月日本発売というProud Maryのころからだろうか。その後も、コンスタントにヒット曲を出し続けて、人気があった。心が浮き浮きするような躍動感があり、陽気な曲が多かった。カントリーロックとかサザンロックという雰囲気ではなく、単純明快なロックとして楽しめた。
1972年に大学へ入学したとき、軽音楽部の新歓コンサートで演奏されていたのが、プラウド・メアリーだった。当時も人気はあったが、やや時代遅れの感じがした。
70年代末ごろだと思うが、NHK総合テレビでCCRのライブコンサートが放映された。おそらく、1970年1月のカリフォルニア州オークランドでの1時間ほどのライブだと思うが、驚いたのは「Keep On Chooglin」という曲での、ジョン・フォガティの演奏力だった。彼のギターを見直した。Chooglinという単語を辞書で調べたが、分からなかった。それもそのはずで、勝手な造語だった。