サイモンとガーファンクル（サイモン&ガーファンクル、Simon & Garfunkel、略称S & G）は、1964年にニューヨークでデビューし1970年に活動を停止したポール・サイモン（1941年～）とアート・ガーファンクル（1941年～）によるフォーク・デュオ。1990年にロックの殿堂入り。
ポール・サイモンが作詞作曲する美しいメロディーとガーファンクルとのハーモニー、サイモンのギターによるアンサンブルは後続のアーティストに多大な影響を与え、解散以後も折に触れて2人で活動している。
ポール・サイモンのギタースタイルは高く評価されている。
ポールとアートは、1957年にエバリー・ブラザーズに影響を受けたコーラスデュオ「トム&ジェリー」を結成
し、レコードを発売した。
1963年、サイモン&ガーファンクルとして、コロンビアレコードと契約し、1964年10月アルバム『水曜の朝、午前3時』でデビューしたが、フォーク・ブームの沈静期の影響もあり、注目を集めることはなく、ポール・サイモンは失意の内に1人ロンドンでの音楽活動を始め、1965年に、初のソロ・アルバム『ポール・サイモン・ソングブック(The Paul Simon Song Book)』を録音した。
『水曜の朝、午前3時』の曲「The Sound Of Silence」がアメリカのFM局で反応がよかったため、レコード会社のプロデューサー、トム・ウィルソンがバーズの「ミスター・タンブリン・マン」の成功を参考に、二人が知らないうちに、エレクトリックギターとドラムスを多重録音してフォークロック・スタイルのシングルとして1965年9月に発売すると、ヒット・チャートを駆け上るヒットとなり、翌1966年1月にビルボード1位と大ヒットした。シングルの成功を受けて、ポール・サイモンは滞在先のロンドンからアメリカに戻り、サイモン&ガーファンクルとしての活動を再開させて、一躍人気フォークロック・デュオとなった。
1967年6月カリフォルニアで開かれた第1回モンタレー・インターナショナル・ポップ・ミュージック・フェスティバルに参加、
その後も、ポールの作り出す哲学的・思索的な深い内容の詞・曲とアートの美しい歌声、そして2人の絶妙なハーモニーが受けて「スカボロー・フェアScarborough Fair」「ミセス・ロビンソンMrs. Robinson」などが大ヒット。1967年12月公開の映画『卒業』の音楽を担当し、映画の成功と共に劇中歌「サウンド・オブ・サイレンス」が大ヒットし、日本をはじめ世界的にも有名となっていった。
しかし、1970年発表のアルバム『明日に架ける橋 (Bridge Over Troubled Water)』の制作中に、ポールとアートの音楽に対する意見の違いが表面化し、このアルバムを最後に2人はそれぞれのソロ活動に入った。
日本では、1968年6月公開の映画「卒業」（米・1967年）のサントラとなった「サウンド・オブ・サイレンス」1968年6月に日本コロムビアから再発売されてヒットして脚光を浴びた。それ以前は、一般的には知られていなかったはずだ。70年代を通じてビートルズをしのぐ人気を誇ったので、当時を生きた人で知らない人はいない。
「明日に架ける橋Bridge over Troubled Water」（1970年）が、代表曲。
「サウンド・オブ・サイレンス The Sound of Silence」（1964年、1965年）、60年代の代表曲。
「冬の散歩道A Hazy shade of Winter」（1967年）、バングルス（ 1987年）のカバーがヒット。
「ミセス・ロビンソンMrs. Robinson」（1968年）、映画「卒業」挿入曲。
「スカボロー・フェアScarborough Fair」（1968年）、「卒業」挿入曲。イギリスの伝統的バラッド曲。
「ボクサー The Boxer」（1969年）。
「いとしのセシリアCecilia 」（1970年）。
「コンドルは飛んで行く El Condor Pasa」（1970年）、ペルーのフォルクローレとケーナを有名にした。
「アメリカAmerica 」（1968年、シングル1971年・日本、1972年・米）、日本でヒットした。
このほか、「アイ・アム・ア・ロックI Am a Rock」 (1966年）、1957年のエヴァリー・ブラザーズのカバー曲である「バイ・バイ・ラブ」（1970年）など。