「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(Strawberry FieldsForever)は、1967年2月にビートルズが発表したシングル曲で、ジョン・レノンの作った楽曲である。両A面シングル曲の片面はポール・マッカートニーが作った「ペニー・レイン」である。
アルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の収録曲と同時期に録音された。
ビートルズのサイケデリック期における傑作として評価されている。ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2010年版)では76位にランクされている。なお、「ペニー・レイン」は456位。
リード・ヴォーカルはジョン・レノン。
発売された正式テイクは、2コーラス目の冒頭の歌詞、"Let me take you down, 'cause I'm going to"の、"I'm"と"going"の間で、演奏キー・テンポが全く異なる2つのテイク(テイク7と26)が、テープの回転速度を合わせて、絶妙に繋ぎ合わされている。このため、テンポとピッチ調整の影響でジョンの声が異なって聞こえる。
レノンがシンプルな前半部か賑やかな後半部のどちらを取ったらいいか迷った挙句に、ジョージ・マーティンに両方のテイクをつなぎ合わせるように頼んだためといわれる。
イントロ部分に当時の最新テクノロジー楽器であるメロトロン(ポールが演奏)も利用されている。
レノン本人は、アレンジ面で不満があったようで、ジョージ・マーティンによると、初めてジョンが目の前で歌ったアコースティック・ギターのみの演奏が最高だったと述懐している。
なおモチーフとなったリバプールのストロベリー・フィールド孤児院(救世軍子供の家)は、ビートルズ・ファンの訪問が絶えない場所であったが、入居する孤児が減少したことと、孤児のためには孤児院よりも里親制度のほうが好ましいとの運営側の判断から2005年に閉鎖された。建物の存続も心配されたが、その後2006年10月、祈祷や瞑想のための部屋を備えた修道施設として再オープンした。
イギリスのヒット・チャートでは「ペニー・レイン」も1位にはなれず、1963年以来の連続1位の記録が途絶えた。アメリカでは1967年4月1日に最高位8位。
日本での発売日は1967年3月15日。「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ペニー・レイン」が洋楽として最初に買ったシングル盤である。
以後、「愛こそはすべて、ベイビー・ユアー・リッチマン」、「ハロー・グッドバイ、アイ・アム・ザ・ウォルラス」、「レディ・マドンナ、ジ・インナー・ライト」、1968年8月「ヘイ・ジュード、レボルーション」まで買った。LPは高くて買えなかった。
1967年5月ごろから意識的に洋楽をラジオで聞き始めた。「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ペニー・レイン」をポータブル・プレイヤーできいた。当時はステレオなどない。なんだ、やかましくないなというのが私と家族の感想だった。今なら分かるが、66年後半以降は大きな断層がある。とにかく「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」「ペニー・レイン」が原点としてインプットされたのである。
「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」はまず歌詞がシュールで秀逸だと思った。サウンドは甘ったるい。メロトロンの音、弦楽器、ブラス、トライアングル、終了部のギター。最後の列車が通過するような不思議な終わり方。
これ以前の曲はほとんど聞いてなかったので、私の頭にはこれがビートルズのサウンドだと刷り込まれてしまった。「ペニー・レイン」はポールの曲だが、好きな曲だ。ベースラインがはっきり上下に動き、ピッコロトランペットも心地よい。
今では、このあたりの時期の曲調のサウンドは作りえないだろう。ロックの主流から外れているからだ。
しかし、だからこそジョージ・ハリソンのラーガロックとともに、私はこの時期を一番評価する。66年以前およびポール主導の晩期も好きな曲は当然多いのだが。
初期のファンは67年頃から離れていき、解散後聞き始めた人は晩期のアルバム(ホワイト・アルバムなど)を評価しているのは知っている。
リードボーカルの声でどっちの作曲か大体分かるようになっていったが、70年代中頃レノンが曲群をだれの作曲かを公表した時、やはりレノンの方が好きだと自覚した。また、ソロ後の楽曲はレノンは名曲多数だが、ポールの曲は「エボニー」も含めて輝きがない。
文化放送オール・ジャパン・ポップ20 第1回1967年5月7日付けランキング。
1位 ダンス天国 ウォーカー・ブラザース
2 位 ペニー・レイン ビートルズ
3位 カインド・オブ・ア・ドラッグ バッキンガムズ
4位 思い出のグリーン・グラス トム・ジョーンズ
5 位ストローベリー・フィールズ・フォーエバー ビートルズ
10位ルビー・チューズデイ ローリング・ストーンズ
14位恋はリズムにのせて アンディ・ウィリアムス
15位- 太陽をつかもう クリフ・リチャード
「ストローベリー・フィールズ」は5月28日14位で翌週からはランク外。「ペニー・レイン」は6月18日までトップ10内。6月25日にランク外となり、16位の「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と交代。
1986年リバプールでミニバスツアーに乗車して、ストローベリー・フィールド(門のみ)、ペニー・レインなどを見学した。
1985年10月ニューヨークのセントラルパークにできたストローベリー・フィールドは1989年に見学した。
「ストローベリー・フィールズ・フォーエバー」のPVは、1970年初めに、おそらくビートルズ・シネクラブの例会で見たことがあると思うが、その後は見る機会はなかった。Youtubeでは断片しか見られなかったが、2018年05月にvevo化されていたことを最近知った。
カバーはなかなかオリジナルを越えるものがない。シンディー・ローパーやメラニー・マルティネスのような女性歌手の甘ったるいボーカルがこの曲には馴染む。
シンディー・ローパーの演奏は、ニューヨークのセントラルパークでのもの。2001年にセントラルパークで開かれた『ジョン・レノン・トリビュート・コンサート』のものと思われる。キーボード(シンセサイザーピアノ)を弾いているの坂本龍一。弦楽器の伴奏が素晴らしい。シンディーはダルシマーを弾いている。
メラニー・マルティネスMelanie Martinez(1995年~)は、ニューヨーク出身のシンガー・ソングライター。2012年のテレビ番組で注目を浴び、2014年にレコードデビュー、2015年のデビュー・アルバム『CRY BABY』では、まるで絵本のように、子供時代のエピソードやイメージをモチーフにして歌っている。キュートなのに少し毒があるファッションと、ダークなポップ・サウンドでジワジワ注目を集めているという。
音源に合わせた別PVの断片をコラージュしたもののようだが、曲の雰囲気にはまっている。