忍野八海(おしのはっかい)。山梨県南都留郡忍野村。「湧池」付近。
2019年4月12日(金)。7時39分ごろ。
忍野八海は湧泉群で、かつてこの地に存在した忍野湖が干上がって盆地になり、富士山や近くの火山山麓の伏流水を水源とする湧水の出口が池として残った姿が忍野八海である。
4月11日(木)9時前に車で名古屋市内を出て一般国道を使い、山梨県北杜市の「眞原(さねはら)桜並木」を経て、15時に山高神代桜を見学、17時前に富士吉田市の新倉山浅間公園に着き、桜を見学。18時前に道の駅「富士吉田」に着いて、案内所で「忍野八海」のリーフレットをもらい、車中泊。4時前に起き、テレビ録画を見て、5時ごろから調理パンの朝食。インスタントコーヒーを登山用ガスバーナーで沸かして飲んだ。
時々小雪が舞っており、車のフロントに雪が僅かに付着していた。7時過ぎ、小雪のなかを忍野八海へ向けて出発した。15分ほどで到着。駐車場は300円だと聞いていたので、有料表示のない駐車場を捜して、浅間神社から集落内へ入ったが、結局無料はないと分かり、観光案内所に近い民間駐車場に駐車。売店に料金を支払うようになっているが、売店は開いていないので、取りあえず、「湧池」へ歩いた。
忍野八海はたまにニュース映像で見かけるが、それがどこかは知らない。どうも、「湧池」周辺が代表的風景でよさそうだ。茅葺住宅などが散在している。
小雪が終始ちらつく天候で、富士山はどこにも見えない。新倉山浅間公園を昨日見ておいてよかった。観光客はバイクできた男女しかいない。女性はモデルのようで、男性が撮影をしていた。
忍野八海。「湧池」。
忍野八海は、国指定の天然記念物、名水百選に指定されている。2013年には「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産として世界文化遺産に登録された。
忍野八海。「湧池」。
忍野八海では、雪解け水が地下の溶岩の間で、約20年の歳月をかけてろ過され、湧水となって湧き出ている。
湧池は直径約12m、水深約5mの逆さ円錐状で、北側に1mほどの湧水穴があり、八海では最大の湧水量がある。珪藻土層からなる水中洞窟を持ち、潜水調査により池の底から最奥部まで約55mあることが確認された。
忍野八海。「湧池」。
忍野八海では、「湧池」を中心にして7つの池を巡る観光客が多いという。
忍野八海。「濁池」。
「湧池」の左側にあり、川に隣接している。伝説では、行者が一杯の水を地主の女性に求めて断られたため、澄んだ池が濁ったという。
忍野八海。
茅葺屋根と富士山を背景とした田園風景が造られており、観光用の商店や施設などが建ち並んでいる。名水百選の水飲み場がある中池という人工池も造成されたもの。
忍野八海。名水百選の水飲み場。
中池の向かい側にある茅葺屋根は大きな土産物屋で、開店準備をしていた。売店の中へ入り、中池方向へ進むと、池の脇に水飲み場があったので、一口飲んだ。
忍野八海。
名水百選の水飲み場の中池側には、池の真ん中にもう1か所水飲み場がある。
忍野八海。「鏡池」。
名前の由来は、水面に逆さ富士が映ることからという。
10分ほどで3つの池を見たので満足した。
忍野八海。「湧池」横の阿原川で魚釣りをする地元の女性。
訊ねると、ヤマメを釣っているという。
忍野八海のソメイヨシノは4月下旬~5月上旬が見頃らしく、この時期はまだ蕾であった。
7時55分ごろ、駐車場へ戻ると、売店はまだ開いていなかったので、料金を支払うことはできず、発車した。
名古屋の自宅へ帰る途中、予定に従い、長野県富士見町の井戸尻考古館へ立ち寄った。井戸尻考古館では、縄文土器5点の長野県県宝指定にともなう記念展(~5月6日)が開催されていた。