地下鉄。メキシコシティ。2014年11月12日(水)。
9時30分頃、無料の朝食を食べて定宿にしたサンフェルナンド館から徒歩3分ほどのイダルゴ駅から地下鉄に乗り、メキシコの守護神「聖母グアダルーペ」像を祀るカトリック信者の聖地であるグアダルーペ寺院へ向かう。
地下鉄の運賃は政策的に安くしてあるので、貧しい人が利用しやすい交通機関である。スリが多いとか危険だとか書いてある本があったので注意して乗っていたが、結果的には不安を持つようなことは一度もなかった。交通警察のような男女の警備員は多く配置されている。
地下鉄。
通勤時間帯は満員状態のときもあり、ホームに女性専用コーナーが設けられている駅もある。無理して急いで乗ったらザックがドアに挟まれたときは、近くの若い男たちが、ドアを押して広げてくれたこともある。
物売りが多く、大音量でCDなどを売っているのは騒騒しい。本などを買う人もいる。数人の若い女性たちが乗り込んできて、交代で政治スローガンを演説したこともあった。
路線を乗り換えるための連絡通路は意外と長距離で時間を取られた。
土日は営業時間が短縮され、とくに日曜日は7時からなのをうっかり忘れていて、長距離バスの出発時刻に間に合わなくなると焦ったこともあった。
グアダルーペ寺院。
1531年に黒い髪と褐色の肌をもつ聖母マリアが人々の前に現れたとされ、バチカン教皇庁公認のカトリック三大奇跡の寺院の一つとされる。メキシコ国民の精神的な支えとなっている聖母像が祀られている。
地下鉄6号線ラ・ビジャ・バシリカ駅から歩く。駅前の道路を100mほど歩くと、広い参道に出た。両側は門前町らしく、聖具などを売る店が多い。
グアダルーペ寺院。右が旧グアダルーペ寺院、左が現在のグアダルーペ寺院。
旧グアダルーペ寺院。1709年に建設されたが、地盤沈下のため傾いたので、新寺院が建設された。
旧グアダルーペ寺院。傾いてはいるが、内部に入ることはできる。
旧グアダルーペ寺院。内部。聖母マリア出現の様子。
1531年12月9日グアダルーペのインディオ、フアン・ディエゴの前に聖母が現れたとされる。聖母は、司教に聖母の大聖堂を建設する願いを伝えるよう求めた。病気の親類の助けを求めにいこうとしていたディエゴが話しかける聖母をふりきって走り去ろうとした時、聖母は彼を制止し、親類の回復を告げた。ディエゴが戻った時、病気だった親類は癒されていた。
ディエゴは司祭に聖母が教会を建てるように求めた話をするが取りあってもらえずにいると、再び聖母が現れ証拠の品として、その季節には咲いていないバラを与えた。ディエゴはバラをマントにくるみ、司祭にマントを広げるとマントには褐色の聖母の姿が映し出されていた。司祭は聖母が現れたことを喜び、グアダルーペ寺院を建てた。
旧グアダルーペ寺院。内部。祭壇。
旧グアダルーペ寺院。内部。ステンドグラス。
新グアダルーペ寺院。1976年に建設された。
新グアダルーペ寺院。内部。おびただしい人々が説教に聞き入っていた。
新グアダルーペ寺院。内部。祭壇横にも多くの人々が取り囲んでいた。
「聖母グアダルーペ」図。祭壇の裏側の壁にある。立ち止まる参拝者が多いので、図像の前には動く歩道が設置されている。
「聖母グアダルーペ」図。かなり上に置かれており、小さい。1531年のものにしては保存状態が良い。
この図像はのちほど旅行したメキシコ各地でよく見かけることになった。
テペヤックの丘。寺院裏側の上にある丘が奇跡の起きたテペヤックの丘で、頂上には礼拝堂が建っている。この丘にはかつてアステカの神殿が建てられていた。
国立宮殿、テンプロ・マヨールのあるソカロ地区の見学時間を考慮し、グアダルーペ寺院をあとにした。