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メキシコ・シティ 支倉常長ゆかりの青いタイルの家とサンフランシスコ教会 ベジャス・アルテス宮殿・壁画「宇宙を統括する男」 ディエゴ・リベラ壁画館

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賑やかなマデロ通りとラテンアメリカ・タワー。メキシコシティ。2014年11月12日(水)。テンプロ・マヨール博物館を
15時に出て、有名な壁画を見ようと国立宮殿へ向かう。しかし、20分ほど歩いて建物を大きく一周しても観光客が入場している入口はなかった。行事かデモ対策かで閉鎖されていたようだ。10日ほどあとの土曜日にも訪れたが、女性警備員に1週間ほど閉鎖しているといわれ、結局今回の旅行では見学することはできなかった。
しかたなく、ソカロを抜けて、マデロ通りに入り、ラテンアメリカ・タワーのすぐ東にある「青いタイルの家」へ向かった。
 
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「青いタイルの家」。マデロ通りの西端近くにある。16世紀末に建てられた貴族の邸宅で、1614年3月に伊達政宗が派遣した支倉常長らのローマへの使節団が宿泊したといわれる。
 
使節団は、慶長189月(161310月)にサン・フアン・バウティスタ号で牡鹿半島の月ノ浦(現在の宮城県石巻市)を出帆し、ヌエバ・エスパーニャ太平洋岸のアカプルコへ向かった。

常長を正使とした乗員180名(将軍下の侍10名、仙台の侍12名、日本人商人・水夫・家来など120名、イスパニア人・ポルトガル人40名、フランシスコ会士ソテロとビスカイノなどが便乗)となった遣欧使節団が出航した。使節団の主目的は仙台藩とスペイン(イスパニア)との通商交渉であった。

出航から3か月後の16141月、アカプルコ入港。クエルナバカを経て、3月に常長らはメキシコシティに着いた。5月メキシコシティを出発。6月使節団はスペイン艦隊のサン・ホセ号でヌエバ・エスパーニャ大西洋岸ベラクルスのサン・フアン・デ・ウルアを出港した。
 
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「青いタイルの家」。プエブラの特産品であるタラベラ焼きという青味がかったタイルが壁面に使用されているため、青いタイルの家と名付けられた。
 
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「青いタイルの家」。現在は内部は改装され商店やレストランが入居している。
 
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「青いタイルの家」。内部のレストラン入口。吹き抜けになっている。高そうなので、入らなかった。
道路の向かい側にあるサンフランシスコ教会へ向かう。
 
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サンフランシスコ教会支倉常長ローマ使節団のゆかりの教会。ラテンアメリカ・タワーの東隣に
16世紀始め、スペイン征服後すぐ建造されたというサンフランシスコ教会がある。
 
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サンフランシスコ教会。マデロ通り側の門から下る階段を降りると、この一帯が地盤沈下した様子が分かる。
 
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サンフランシスコ教会。内部。メキシコ・シティでは使節団の日本人
120名のうちの78名が宿舎の近くにあるサン・フランシスコ教会で洗礼を受けたとされ、一行の多くはメキシコでその後3年間を過ごしたのである。メキシコに滞在していた侍、商人の受洗した日本人のなかには帰国せずにそのままメキシコに居残り、その子孫と思われる人々が多くいることが最近報道されている。
また、青いタイルの家に支倉常長が宿泊したのではなく、実際にはサンフランシスコ教会の付属の修道院に宿泊したという説もある。
北西すぐ近くにあるベジャス・アルテス宮殿へ向かう。
 
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ベジャス・アルテス宮殿。総大理石の大劇場でメキシコでは最も格式の高い劇場の一つ。1905年にイタリアの建築家により着工され、1934年に完成。
45ペソを支払い、内部へ入場。
 
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ベジャス・アルテス宮殿。天井のドーム。
 
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ベジャス・アルテス宮殿。内部の設備はアールデコ調のデザインで装飾されている。
 
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ベジャス・アルテス宮殿。壁画「宇宙を統括する男」。ディエゴ・リベラ作。1934年。4.8×11.5m。
元々はロックフェラーに依頼され、ニューヨークのロックフェラーセンターMan at the Crossroadsという壁画を描いたが、レーニンの肖像にロックフェラーが激怒して1933年の完成前に破壊したため、リベラが写真をもとにして、ほぼ同じ主題の壁画El hombre controlador del universoをここに描いたという。いくつかの映画にもこの事件は取り上げられたという。
 
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ベジャス・アルテス宮殿。壁画「宇宙を統括する男」。
中央の労働者は機械を制御している。彼の前には大きな手が球体を握り、原子を制御し、細胞分裂を起こして生物の再生を司る。プロペラのようなものには爆発する太陽などが描かれ、宇宙や生命などを象徴している。迷信から科学への代置を示す。
左側には資本主義の、右側には社会主義の世界が描かれている。新バージョンでは、頭部のないシーザー像の下にトロツキー、マルクス、エンゲルス。左側には雷光を掴み怒れるジュピター像の下にダーウィンとナイトクラブで女性と梅毒菌の皿の下で酒を飲むロックフェラーが描かれた。
有名な作品らしく、珍しく説明をする人と聞く人がいた。
 
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ベジャス・アルテス宮殿。壁画「宇宙を統括する男」。
全く予備知識なしに壁画群を見ていたら、後日見学する予定であった博物館の主人公であるトロツキーの肖像を見つけて驚いた。
 
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ベジャス・アルテス宮殿。壁画「宇宙を統括する男」。
よく見ると、マルクス、エンゲルス、レーニンも描かれていた。
  
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ベジャス・アルテス宮殿。吹き抜け、回廊。
 

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ベジャス・アルテス宮殿。地階、吹き抜け、回廊。
30分ほど見学して、ベジャス・アルテス宮殿の西にあるアラメダ公園を通り抜け、公園の西端にあるディエゴ・リベラ壁画館へ向かった。
 
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ディエゴ・リベラ壁画館。大通りと公園に囲まれた一画にある。外観はぱっとしない。17時を過ぎていたので、公園にたむろする男たちが多かった。
 
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ディエゴ・リベラ壁画館。リベラの晩年の傑作「アラメダ公園の日曜の午後の夢」。
1947-48年。この美術館は元々ディエゴ・リベラの「アラメダ公園の日曜の午後の夢」を展示するために開館された。この作品は、ホテル・デル・プラドのロビーの壁に描かれたものだが、1985年の地震でホテルが壊れてしまい、生き延びた壁画をホテルの向かいにある場所に移し、美術館にしたもの。幅15m、高さ4mにも及ぶ巨大な壁画には、風刺版画家ポサダと彼が生んだ骸骨(カラベラ)のキャラクターであるカトリーナを中心にして、エルナン・コルテスやベニート・フアレス、マキシミリアン皇帝、ポルフィリオ・ディアスなど、植民地時代からのメキシコの重要人物がアラメダ公園に集まる姿が描かれている。
 
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ディエゴ・リベラ壁画館「アラメダ公園の日曜の午後の夢」。
画面中央には骸骨のカトリーナの左にフリーダ・カーロと少年時代のディエゴ・リベラが描かれている。
人物を特定する説明パネルが手前側に置かれている。閉館前だったせいか、数人の客しかいなかった。ベンチに座り鑑賞した。写実的、かつ色彩が豊かで馴染める絵画である。
 
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ディエゴ・リベラ壁画館。2階から眺める。
数十点の絵画も展示されているが、この傑作が主役である。
 
ディエゴ・リベラ壁画館は地下鉄イダルゴ駅の近くにあるので、宿にした「サンフェルナンド館まで徒歩10分ほどで着くことができた。

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