平成27年11月6日(金)。和歌山県紀の川市貴志川町。
本日は道の駅「根来さくらの里」で起床。昨日の朝、九度山町の高野山町石道からの帰途、柿畑でもらった柿2個を食べ、ゆっくりと和歌山電鉄の終着駅である貴志駅へ向かった。今年6月に亡くなった「たま駅長」の後任である「ニタマ駅長」の出勤は金曜から火曜の10時から16時までなので、10時出勤に合わせて車を走らせた。
問題は駐車場である。和歌山電鐵では乗用車で駅長に会いに訪れる際には伊太祈曽駅または和歌山駅周辺の駐車場を利用し、貴志川線に乗車するよう案内している。大池駅までの駅付近に駐車しようかとも思ったが、貴志駅から徒歩10分ほどの大国主神社なら問題ないと判断し、9時45分頃に大国主神社の境内に到着。境内は無人で静かだ。
大国主神社は貴志荘の産土神で、出雲の神大国主命の伝説を残している。本殿へ登る石段右にある社殿は江戸時代中期に建てられた高床式舞台造の神楽殿である。神社の東には貴志川でもっとも深い国主淵があり、龍神に捧げる大飯盛物祭が4月に開かれている。
神社から貴志川の流れを東に見ながら坂道を下って交差点に着き、寂れた商店街を進むと貴志駅に着いた。
なかなか個性的な駅舎である。駅舎は単なるビルではなく、個性的な外観が望ましいというのが持論。
貴志駅の駅舎は長らく開業以来の木造駅舎であったが、老朽化のため観光拠点としてふさわしいよう2010年8月に建て替えられた。貴志川線の「いちご電車・おもちゃ電車・たま電車」のリニューアルデザインを手がけた水戸岡鋭治による「エコでネコロジー」をテーマとした猫の顔をモチーフとしたデザインである。
紀州材など天然素材を多用し木造の駅舎は、檜皮葺の屋根に猫耳と「TAMA」の飾りが取り付けられているおり、たまミュージアム貴志駅」という名前が付けられている。
駅入口に鎮座していた。
三毛猫「ニタマ」は仔猫だった2011年春頃に、南海電鉄から2006年に経営を引き継いだ両備グループの地元である岡山市内の国道沿いで交通事故に遭いそうになっていたところを保護され、三毛猫という縁から和歌山電鐵の親会社である岡山電気軌道に譲られた。ニタマという名前は「たまに似た二番目の駅長猫」という意味が込められている。2015年8月11日に「たまII世駅長」を襲名し、ニタマは通称となった。
貴志駅周辺は、想像したより田舎だった。活気もなく寂れた商店街が印象的で、貴志川線の経営が厳しいのはうなずける。
日経ビジネスオンライン11月30日号に「香港人が和歌山を好むワケ」という記事があった。
「香港や台湾で「癒やし」がブームになると、猫の駅長が話題となった和歌山電鐵貴志川線貴志駅の「たま駅長」をプッシュ。今年6月の、たま駅長の「訃報」は海を越えて香港でもニュースで報じられるほど知名度は高い。後継となった「ニタマ駅長」も変わらず人気で、香港や台湾からの旅行客が連日、貴志駅に足を運んでいる。」
このあと、特別史跡「岩橋千塚古墳群」を見学するため、紀伊風土記の丘へ向かった。