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ペルー・チクラヨ シカン博物館 その4 ロロ神殿・西の墓 シカン神の壁画

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ロロ神殿・西の墓復元模型。シカン博物館。
201569日(火)。
西の墓はロロ神殿のプラットフォームを対称軸として、東の墓に対して西にあり、被葬者は東の墓とは違い、逆さまではなく、ごく普通に上向きに座った状態で埋葬されていた。
 
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ロロ神殿・西の墓復元模型。
島田は発掘以前に東の墓は西の墓を意識して造られたものだと予測していた。
アンデス社会の構造として、上(ウリン)と下(ハナン)という二分法(双分法)がある。逆さまに埋葬されている東の被葬者が下向きの埋葬法を示しているなら、西の墓には天地が正しく座った被葬者の遺体がある。
 
東の墓は3m×3mの間口であったが、西の墓はもっと広く4m~5m四方の広さであった。儀礼的にも政治的にもより重視されていた上(ウリン)の西側の墓には東の墓よりも多くの金製品が副葬されていたのではないか。東の被葬者が持っていたトゥミは銀製であったので、西の被葬者は金製を持っているのではないか。
 
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ロロ神殿・西の墓復元模型。
北側(右側)の殉死者たちは地元のバタン・グランデ出身者という。
 
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ロロ神殿・西の墓復元模型。
被葬者は大きな金の仮面をつけていた。
 
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ロロ神殿・西の墓復元模型。
南側(左側)の殉死者たちはエクアドルやコロンビアから来た人たちという。
 
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ロロ神殿・西の墓。全体スケッチ画。
 
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ロロ神殿・西の墓。中央墓室スケッチ画。

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壁画。西の墓復元室。
敗者の生首を持つ戦士たちの行列であろうか。
 
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エリートの復元想像図。
 
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シカン神の壁画復元図(複製)。
1991年ベンタナス神殿群南の墓から出土した金属板に描かれた壁画。
図像の西の端に月があり、東の端に太陽があって、中央にシカン神が怪物の顔をした海の波の上に立っている。
シカン神は左手に儀式用のナイフ(トゥミ)を持ち、右手に生首を持っている。生首はシカン神が生命を操ることを示している。
シカン神は宇宙、地球、水を操ることができ、死と再生を司る全能の神であるというシカンの宇宙観を表している。
 
シカンの宗教は北のモチカ文化と南のワリ文化の要素を巧みにつなぎ合わせたものだった。
北のモチカ以前に遡る古い多神教文化の伝統的表現は、シカン神が持っていた生首とトゥミであった。南のワリ文化のイデオロギーはシカンに受け継がれた一神教的な太陽神であった。シカンは南北の人々に受け入れられる共有性を持つ宗教により急速に膨張したと考えられる。

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