第1号墓。14人面金冠の墓。クントゥル・ワシ博物館。
2015年6月14日(日)。
東大アンデス調査団の発掘により、1989年9月14日、第1号墓からBC800年頃というアンデス最古の金製品が初めて出土した。クントゥル・ワシ遺跡を代表する黄金製品。
墓穴の直径1.5m、深さ2.25m。下部に横へ掘られた墓室は直径1.3m、高さ1mで石で入口を封じられていた。被葬者は頭蓋変形を施された老年男性で、屈葬にされ、朱を撒かれていた。
金冠のはかに、土器、法螺貝、石製耳飾りが副葬されていた。
14人面金冠。
幅46.5㎝、高さ18㎝。六角形の窓は2段で、合計14カ所開いており、それぞれに人面がぶらさがっている。
第4号墓。玉飾りの墓。
14人面金冠の墓の西に隣接して発見された。墓穴の直径1.4m、深さ1.7m。被葬者は老年の女性で、朱が撒かれていた。
7000個の玉で造られた首飾りは、ラピスラズリに似た濃紺の方ソーダ石、トルコ石に似た珪孔雀石(クリソコーラ)、碧玉という3種類の石のほかにスポンディルス貝を用いていた。
鳥型の小さい金製ペンダント、女性の顔が彫られた石製の小鉢、鐙型土器が随伴していた。
貝製玉。
碧玉製玉。
方ソーダ石製玉。
南西基壇。ヘビとジャガーの耳飾りの墓。
クントゥル・ワシ期に、クントゥル・ワシ神殿の改築にともなって墓が造られた。
ヘビとジャガーの金製耳飾り。一対。
縦23.9㎝。幅11㎝。ジャガーの横顔を打ち出し、眼には白と黒のカメオ式の貝の象嵌がしてあった。顏の下に垂れている6本の帯はヘビをモチーフにしている。
12横顔ジャガー金冠。
幅45㎝、高さ18.2㎝。四角い窓が2段、全部で12個あいており、それぞれの窓には擬人化したジャガーの横顔がぶらさがっている。