南基壇の墓。クントゥル・ワシ博物館。
2015年6月14日(日)。
中央基壇の裏手に位置する。クントゥル・ワシ期のカナル(暗渠)を調査したところ、墓が出土した。蛙形土器の墓、金製髭抜きの墓、金製首飾りの墓からは金製品が出土した。
図は断面図。
上層の蛙形土器の墓はクントゥル・ワシ期、中層の金製髭抜きの墓、下層の金製首飾りの墓はコパ期の墓で、上部の墓の一部を壊して、新しく下部に墓を造成していった。
特定の集団が継承した墓域と推定されるという。
蛙形土器の墓。クントゥル・ワシ期。コパ期の金製髭抜きの墓を造るさいに、一部破壊されていた。被葬者は成人男性で朱が撒かれていた。
蛙形土器の墓。カエルを象った鐙型壺。
赤・オレンジ・白の色付けがある。
蛙形土器の墓。金製円盤状胸飾り。クントゥル・ワシ期。
直径24㎝。スープ皿の形をしており、縁にはシェヴロンという山型の模様を打ち出している。
金製髭抜きの墓。コパ期。
被葬者は男性。金製品が50点ほど出土した。首飾り用円筒状金製品7点。直径7㎝の金製耳輪一対。カスタネットに似た形の金製髭抜き1点などが出土した。
クントゥル・ワシ期の金細工は板を切ったり、それに打ち出し模様をつけたりするものだった。
それに対して、コパ期の金細工は非常に小さな金の板を組み合わせたりして、細工の技術が明らかに精妙かつ高度になっている。
金製円筒状耳飾り。金製髭抜き。
カスタネットに似た形の金製髭抜きは、直径約9㎝、重さ98g。
金冠。
幅57.5㎝、高さ5.4㎝、重さ136g。上辺に山と円が交互に並ぶように切り込みの細工が施されている。三日月と太陽の象徴と推定された。
金製首飾り玉。
金製首飾り玉。
長さ2.5㎝前後で、竹枕のような形をしている。
スポンディルス貝製飾り玉。
スポンディルス貝製飾り玉。
金製首飾りの墓。コパ期。
蛙形土器の墓、金製髭抜きの墓の一部を破壊して造成された。被葬者は若い女性のもので、頭部には朱が撒かれていた。
金細工技術の進歩を示す様々な種類の金製首飾りと8点の土器を副葬していた。
金製首飾り玉。
半球を二つ合わせて玉としている。
金製垂れ飾り玉。
土器。
45分ほど博物館を見学したのち、裏手の山にあるクントゥル・ワシ遺跡の見学に向かった。