秦始皇兵馬俑坑博物館。銅車馬展示館。
2017年7月7日(金)。
照明を抑えられた室内は見学者であふれている。
銅楯。銅車馬展示館。
1号銅車馬の御者の右側に下げられた袋の中に入れられていた。形状は方形の首、弓状の肩、曲線的な腰部、平たい底部である。高さ35.6㎝、底部幅23.5㎝、厚さ0.4㎝。
楯の表裏には彩色された文様が描かれていた。縁取りの部分には白の穀壁紋を地に藍色の雲紋があり、そのなかに藍色で左右対称の四つの夔龍紋が描かれている。
背面の中央には取っ手があるが、その左右には同じように四つの夔龍紋が見える。
実戦用の楯は漆を塗った木製のもので、この銅の楯は明器と考えられる。
銅矢。
1号銅車馬からは66本の矢が出土した。うち62本の矢は四辺にエッジが付けられ、鋭い先端部がある。残り4本の先端部は平たく、練習用で殺傷能力はない。
矢箙(しふく)。
御者の足下に予備の矢が矢箙(しふく)という箱に納められていた。箱の鎖には留め金をかけて動かないようにしてある。
箱の表面の文様は、朱・青・黄・白・黒と五色を細やかに配色していた。
連接工法。
銅車馬は夥しい数の部品を組み合わせて製造されており、部品製作には鋳造や溶接など様々な技術を用い、紀元前の時代としては驚異的なレベルの技術が使われていた。たとえば、車輪と車輪をつなぐためには焼成法という技術が採用されていた。複製品が展示されている。
手綱および馬具。
馬具と扉金具。
馬具は鋲留めなどで連接、扉金具などは蝶番で出来ている。
銅製品。
金銀製馬綱。
U字型銅製品。
1・2号銅車馬から各2本出土した。用途は不明。
銅製品。
方壺。
左。1号銅車馬の右前隅から出土した。高さ14.5㎝、底の長さ12.7㎝、厚さ6.1㎝。白色で戊(5番目)と番号付されていた。内部には3つの銅製鉤が入っていた。
右。
2号銅車馬の車室内から出土した。高さ19.2㎝、底の長さ12.6㎝、厚さ5.8㎝。白色で丙(3番目)と番号付されていた。内部は空だったが、緑色の粉末が付着していた。水または酒の容器と推定される。
発掘事業紹介展示室。
1974年に兵馬俑が出土した始皇帝陵周辺の様子。
1時間半近く秦始皇兵馬俑坑博物館を見学。西安市内へ戻る。