パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。九族文化村。日月潭。
2017年10月6日(金)。
現在の屏東県来義郷古楼部落は、屏東線潮州駅の東4㎞ほどの山間地への入口地点で林邊溪右岸にある。来義郷は古くからパイワン族ブツル系統のパウマウマック群の活動地域であった。
千々岩は標高1033mの地点にあると記しているので、移住などで所在地が変わっている可能性がある。
戦前の戸数295戸、人口1717人で全島で最大の蕃社であった。部落内にはチョルテンおよびテリブガン両系の頭目がいた。
現在、パイワン族の五年に一度の重要な祭典「五年祭」を執り行うのは台東縣達仁郷の土坂村と、屏東縣來義郷古樓村の2部落のみとなっている。
千々岩助太郎の調査は1937年とみられる。
この建物の平面は矩形。間口8,70m、奥行7.30m。切妻屋根スレート葺。壁は前面壁のみ巾の広いスレートを小端立てとし、他は石積みで壁厚は約1mである。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。入口。
平入りで入口は右端にある。軒桁の彫刻は頭目家の権威を示すものである。
室内は全面にスレートが敷かれている。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。案内。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。室内。前方部。
窓側には木造の腰掛けがある。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。室内。前方部。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。説明板。
頭目家住居には祖先柱があり、その脇には伝来の壺などが置かれ、内部でも神聖な場所となっている。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。平面図。説明板。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。室内。後方部。
居間の一端に竈があってその上部には棚が設けられている。寝室の両端に寝台がある。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。室内。後方部。
パイワン族・ルカイ族は彫刻・造形に秀でている。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。室内。後方部。
棟木を支えるための親柱と夫婦柱は石柱で親柱の表面には彫刻がある。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。室内。竈。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。室内。前方部。巫術による治療の様子。
パイワン族古樓社(クナナウ社)頭目の住居。室内。前方部。巫術による治療の様子。
巫術による治療。
シャーマンである巫覡(ふげき)・巫女が死霊の祟りである病を、神霊の力を用い、病魔を駆除して治療を行った。
巫師の地位は母から娘に伝えられることが多く、呪文、呪器、儀式次第が伝承された。
司令台。
頭目家の多くには、住居と相対して前面に石を高く積んで司令台が設けられている。台の中央に榕樹(ガジュマル)を植え、その脇に石柱を立てて頭目家の標示としている。
頭目が部落内の成員を集めようとするときは、この台に昇って大声で叫び、成員が来集したときに頭目または長老がこの台の上から司令する。
古樓社穀倉。
古樓社穀倉。案内。
古樓社穀倉。鼠返しのある下部。
古樓社穀倉。内部。アワが吊るされている。
古樓社鶏舎。
古樓社鶏舎。
クナナウ社テブリカン・ムダサンの住居。正面。(千々岩1960)。
クナナウ社テブリカン・ムダサンの住居。寝台。(千々岩1960)。
クナナウ社テブリカン・ムダサンの住居。竈。(千々岩1960)。
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ナナウ社テブリカン・ムダサンの住居。平面図。(千々岩1960)。
クナナウ社テブリカン・ムダサンの住居。断面図。(千々岩1960)。