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Channel: いちご畑よ永遠に
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岡山県備前市 伊部 伊部南大窯跡、天保窯跡、天津神社、備前市歴史民俗資料館

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伊部南大窯跡。備前市伊部。国史跡。平成
26514日(水)。本日は備前市伊部地区、瀬戸内市邑久町の長島愛生園、竹久夢二の生家、長船町の備前長船刀剣博物館、福岡の市跡を見学した。
伊部は「六古窯」の一つ、備前焼の代表的な産地である。平安時代に熊山の麓で生活用器の碗・皿・盤や瓦などを生産したのが始まりとされ、12世紀頃からは伊部地区を拠点として、須恵器から発展した備前焼の本格的生産が始まり、現在のような赤褐色に焼き締めたものになったのが鎌倉時代後半からで、品質の良さから室町時代には西日本一帯に備前焼のかめ・壺・すり鉢が流通した。
南大窯跡は伊部駅南側の榧原山麓の丘陵斜面にあり、室町時代後期から江戸時代中期に築造された共同窯で、3基の窯(東側窯跡、中央窯跡、西側窯跡)と巨大な物原からなる。
道の駅「黒井山」を出て、伊部駅南東のコンビニでネットを1時間ほどしてから、南大窯跡へ向かった。伊部駅南口にも近辺にも案内標識はなく、橋を渡って、ようやく窯跡に着いた。
 
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伊部南大窯跡。東側窯跡は全長
53.8m、全幅35m、傾斜角度17度の半地下式の登り窯で単房の窯としては国内で最大規模とされる。
床面を若干掘り下げた上に天井を架けて、トンネル状にした穴窯と呼ばれる構造で天井を支えるため土柱が設けられていた。この窯では、一回の焼成で、製品約35千個を35日ほどかけて焼いていた。製品は壷、瓶、擂鉢などの日常雑器類が主であった。
国道2号線へ行き、備前陶芸美術館の東に駐車。美術館は高いので、パスし、伊部駅や備前焼伝統産業会館へ行き、パンフレットなどを収集、産業会館で備前焼の作品を見た。その後、2号線北側に渡り、伊部の町並みを散策し、天津神社や窯跡などを見学。備前焼骨董店の店先には藤原啓の作品も並んでいるので、美術鑑賞もできる。
 
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備前焼の窯元。薪の並べ方が芸術的。
 
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備前焼の窯元。現在も稼働している窯元の窯の姿が美しい。
 
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天保窯跡。備前市指定文化財。江戸時代後期まで、南・北・西の三大窯で多量生産していた備前焼も、需要の減少や燃料の問題で頻繁に焼成できなくなった。それを補完するために、規模を縮小した
3基の小窯を築き、徳利・壺・灯明皿・すり鉢など小型の製品が生産された。
天保窯はそのうちの一つで天保31832)年頃に築窯され、昭和15年頃まで焼き継がれた。全長175m、幅6m、高さ2.5mの連房式の登窯であった。
 
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天保窯跡。構造はそれまでの窖窯(あながま)形式のものより燃焼効率がよく、大窯の四分の一程度の十数日で焼き上げられ、経費節減や品物の回転を早めることができた。
焼成室は多いときには8室あったといわれている。
 
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天津神社。応永
181411)年以前の創建で、天正71579)年にこの地に移ったとされる神社。楼門の壁には備前焼の陶板が嵌め込まれている。
 
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天津神社。拝殿に至る石段の横の壁にも備前焼作家のサインを刻んだ陶板がびっしりと嵌め込まれている。
 
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伊部北大窯跡。国史跡。天津神社裏手の不老山の南斜面にある。
3基の窯跡と物原が確認されている。北側の1基は全長約33m、幅45mの窯で、室町時代中期の「応永の大窯」とする説もある。
遊歩道はさらに、忌部神社まで登って行き、展望所に至る。
 
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伊部の町並み。忌部神社の東にある展望所から眺める。南方向の正面には麓に伊部南大窯跡の残る山がそびえている。
町並みの見学を12時前に終え、2号線の駐車場へ戻り、西へ走ってガソリンを給油したのち、東へ戻って、備前片上駅の南にある備前市歴史民俗資料館へ向かった。
 
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備前市歴史民俗資料館。展示。「金備前・銀備前」。金青といい、青備前の一種。匣鉢(さや)に入れて強力還元すると黄金の焼成を見る。
備前焼は釉薬を掛けずに焼成するのが基本で、土そのものの魅力が生かされているのが特徴である。作品に掛けた藁が燃えて模様になった「緋襷」や、還元焼成による「窯変」などの技法がある。
歴史民俗資料館は入場無料のうえに、各種パンフレットが豊富に入手できた。
 
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備前市歴史民俗資料館。展示。「牡丹餅」。焼成時に他の器物が覆ってできたもので、焔がじかに当たらないところに緋色が生じる。皿等に粘土(ボタ)を丸くして置いて焼くことから牡丹餅という。
 
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備前市歴史民俗資料館。展示。三石城二の丸跡出土品。備前焼片。
 
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備前市歴史民俗資料館。展示。三石城二の丸跡出土品。古銭。小皿。
このほか、登り窯の断面模型、三石の耐火煉瓦関係資料、備前市出身の作家である正宗白鳥、柴田錬三郎のコーナーもあった。
このあと、藤原啓記念館へ。
 
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藤原啓記念館。人間国宝であった故藤原啓の作品などを展示する美術館。有名作家の窯元らしい建物が並んでいた。
 
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藤原啓記念館。片上湾を見下ろす高台にある。
入館料金は高いし、20年ほど前の「日曜美術館」で藤原啓の人生や作品を見ているので見学せず。
14時に長島愛生園歴史館の見学を予約しており、時間の余裕もなくなったので、長島へ向かった。

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