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1970年代 カントリー・ロック・バンド「アール・スクラッグス・レヴュー」


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THE EARL SCRUGGS REVUEの「LONESOME REUBENロンサム・ルーベン」はカントリーとロックの融合したギターサウンドの名演。1830年代に5絃バンジョーを発明した伝説のバンジョーマン「ジョウェル・スウィニー」を讃えたライブ盤と帯には書いてあるが、実際にはバンジョーの革命者アール・スクラッグスに敬意を表して、1973年1月にカンサス・ステート大学で行われたライブを収録した映画のサウンドトラックで、1977年日本で発売されたLP盤を当時入手してよく聴いた。

アール・スクラッグスは名曲「フォギー・マウンテン・ブレイクダウン」などレスター・フラットとのコンビでブルーグラス界に大きな足跡を残した。レスターとのコンビを1969年に解消したのち、息子のランディたちと1970年頃に結成したのが、「アール・スクラッグス・レヴュー」で、エレクトリック・ギターを導入したサウンドが特徴であったが、従来のブルーグラスファンからは不評で、間もなく解散してしまった。

LPの冒頭曲「ロンサム・ルーベン」は中程のギターソロが特に素晴らしい。その最後のギターソロは倍速ドラムに合わせた好演で、新しいギターサウンドの予感がしたのだが、それっきりになってしまった。
ロックのルーツはブルースだけではなく、カントリーやブルーグラスにもあり、ブルーグラス畑からの発展を今でも期待している。

「ロンサム・ルーベン」は、ブルーグラスではよく演奏される曲で、you tubeを探すと、アールとランディ・スクラッグス、チェット・アトキンス、レオン・ラッセルたちとの共演が見つかった。ランディ・スクラッグスのギターが素晴らしい。エレクトリック・ギターでソリッドなソロを弾いているブロンド美人アニタ・コクランは1997年にデビュー、生彩のないアトキンスは2001年に亡くなっているので90年代後半のライブのようだ。

さて、「バンジョーマン」のLPだが、ニッティ・グリティ・ダート・バンドの「BATTLE OF NEW ORLEANS」「DIGGY LIGGY LO」 がよく、後者のケイジャン・ロック的なのりが、NGDBを再認識させ、彼らのLP盤数枚を購入するきっかけとなった。
ジョーン・バエズの「THE NIGHT THEY DROVE OLD DIXIE DOWN 」も名演で、you tubeやシングル盤などのテイクより迫力がある。小倉エージのライナー・ノートにオリジナルはザ・バンドと書いてあるが、忘れていた。封切で見た映画「ラスト・ワルツ」で、彼らのサウンドに感銘を受けたが、現在you tubeで見られる映像で確認するとテンポがスロー過ぎて残念な出来上がりになっている。
LPにはドグ&マール・ワトソンの「BLACK MOUNTAIN RAG」、バーズの「ミスター・タンブリンマン」、ランブリン・ジャック・エリオットの「ミー・アンド・ボビー・マギー」などが収録されていて、飽きない内容になっている。当時購入した人は少ないだろうが、カントリーやルーツロック好きには堪らない拾い物であった。

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