テンプロ・マヨールには、出口近くに付設博物館があり、アステカ王国の首都テノチティトランで発掘した出土品が展示され、内容は人類学博物館に匹敵する。館内階段の上下に疲れてしまい、長椅子で休みながら見学したので、1時間近く滞在してしまった。
この香炉の柄は火蛇の神シュコアトルの首の形を象形化している。1900年にテンプロ・マヨールの地上部を通る現在のグアテマラ共和国通りで出土した。
大神殿の各層からは多くの埋納品が出土した。
神殿などの構築物が入れ子状に多層的に拡張にされるさい、建設のたびに神への供物が捧げられた。
建設順序に従って3種類の形式に分類される。着工前に前層へ置かれるもの、床に造られた空洞に置かれるもの、石箱と石櫃の内部に置かれるものという埋納方法に分類される。
いくつかの事例ではアステカの宇宙観を示す層位で奉納品が配置されている。
その宇宙観では宇宙は神々の住む天界、人間が住む地上界、死者と死の神が住む地下界に分けられる。その中心に位置する宇宙樹の内部にはマリナリとよばれる螺旋状の物体が通り、神々の力を地上界へ及ぼしていると考えていた。
地下界は砂と海の動物で象徴される。地上界は荒い地表で観念され、魚の鱗、ワニの骨、亀の甲羅で象徴される。天上界は現世に影響を及ぼす火の神シュテクトリと雨の神トラロックで象徴される。
埋納奉献物の展示は3つの展示ケースがあり、上部から見下ろしたあと、階段で下に降りると、先ほどのケースを水平面から眺める形式になっていて展示が工夫されていた。
埋納品は身と蓋が同一の石から造られ、表面に漆喰を塗って彩色された箱に収納されたのち、空洞や石櫃の中に置かれた。
さきほどの「石櫃に収納された埋納品」を水平面で見ている。
大神殿の第4A層から出土した。1440年から1469年に相当する。北の基壇部、雨の神トラロックに捧げられた神殿から出土した。
さきほどの「石製の人頭像、孔のある石を収納した埋納石箱」の水平面。
博物館の展示はまだまだ豊富に先に続く。