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マヤ・プウク様式の最高傑作 世界遺産ウシュマル遺跡 ユカタン州

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世界遺産ウシュマル遺跡。魔法使いのピラミッド。ユカタン州。2014年11月16日(日)。
12時過ぎに、メリダ市内の2等バスターミナルから、カンペチェ行きのバスに乗り、幹線道路上にあるバス停に13時30分頃に着いた。5分ほど歩いて、遺跡入口に着いた。ゲートから階段を数分登ると、突然出現した巨大なピラミッドに圧倒されたた。通称「魔法使いのピラミッド」である。
 
マヤ文明の最後の華やかな栄光とされるプウク様式建築で知られるウシュマルはユカタン半島北部のプウク地方にあり、メリダの南方78kmの地点にある。
マヤ文明が最盛期にあった7世紀から10世紀にかけて、政治と経済の中心地として繁栄した古代都市であった。
最盛期の人口は、25千人ほどと推定されているウシュマルは、ユカタン西部でもっとも強力な都市であった。チチェン・イッツアと同盟を結んで北部ユカタン全域を支配したが、チチェン・イッツアからマヤパンへユカタンの権力が移っていく頃から衰退していった。
 
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魔法使いのピラミッド。
高さ36.5メートルの巨大なピラミッドで、土台は楕円形に近い形をしており、長さは73メートル、幅は36.5メートルある。急傾斜で有名な118段の階段を上ると、頂上には神殿がある。テオティワカンのピラミッド等と同じで小さな神殿が順次大きな神殿へと拡大された。伝説では、魔法使いの老婆が暖めた卵から生まれてきた小人が、超自然的な力で一夜のうちに造ったという伝説がある。
 ほかのピラミッドとは違い、小判型の石を積み上げた丸みのある形が優雅で女性的な印象を与える。
 
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尼僧院。魔法使いのピラミッド横の通路から眺める尼僧院。脇の草むらにはイグアナもいる。尼僧院とはスペイン人によってつけられた通称で、実際には支配者または神官の宮殿と考えられる。
 
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尼僧院の前景部分。
 
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尼僧院から眺める魔法使いのピラミッド。こちら側が正面とされる。ピラミッド上部の神殿がよく分かる。
 
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尼僧院。マヤ人はこの地方を「丘」を意味する「プウク」と呼んでいたことから、ウシュマルの建築様式は後に「プウク様式」と名づけられた。石のブロックを積み重ねた建物は二層になっていて、上部の壁に様々なモザイク紋様が施されているのが特徴である。
 
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尼僧院。中庭を方形の4つの独立した回廊状の建物が囲む構造になっている。
 
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尼僧院。部屋の内部。小さな部屋が並んでいる。
 
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尼僧院。壁面は過剰なほどのモザイク模様と雨の神「チャック」、ヘビ神ククルカン、ジャガーなどの浮彫で満たされている。
人々が雨の神「チャク」を崇めたのは、この地方が乾燥した丘陵地帯のため、水を確保することが難しかったことに理由がある。ウシュマル周辺には、今もマヤ人の集落が点在する。トウモロコシを主食とするマヤ人にとって、水はいかに大切なものだったのかが分かる。
 
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尼僧院。総督の宮殿方向。天井が三角形の疑似アーチはマヤ・アーチともよばれる有名な技法。
 
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尼僧院。疑似アーチ。外から内部。
 
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魔法使いのピラミッド。尼僧院から総督の宮殿側へ下りた正面から。
手前の石棒は男性である雨の神の象徴で、女性である大地へ刺さった石は神と大地の交わりの意味を持ち、豊穣のメタファーであるという。
 
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球戯場。尼僧院の南側に残る。その先は総督の宮殿のある丘。
901年にチャン=チャク=カクナル=アハウという王によって奉献されたという銘文が刻まれている。
 
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球戯場。尼僧院方向を振り返る。ゴールの石の輪は復原されたもの。
 
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総督の館。正面東側から。シンプルで鮮やかなデザインと気品さからウシュマルの最高傑作の建築物と評される。総督の館とよばれるが、実際の役割は不明。
建物は横187m、縦170m、高さ10mというメソアメリカ最長の壮大な基壇の上に建てられている。
建物の前には胸のつながった2頭のジャガー像が置かれている。強大な支配力の象徴とされる。
 
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大ピラミッド。高さ30m。見学区域の一番南側にある。
 
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大ピラミッド。北側の階段から登る人も多い。頂上からは、魔法使いのピラミッドや周囲の密林が見渡される。
しかし、登ることはできなかった。メリダへ帰るバスの時刻が15時で、時間は余裕があるはずだったが、総督の宮殿あたりから、急に便意を催したからである。周囲を見てもトイレはなかったので焦った。大ピラミッドの北側に低い灌木帯へ移行。人の通り道から数mほど外れた灌木の脇にうずくまった。イグアナの気配を気にしながらのキジウチであった。
 
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鳩の家。上部に鳩の巣のような格子窓と壁だけが残る建築物。実際の用途は不明。
 
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地下穴。総督の宮殿の裏側通路にある。排水溝なのかどうか不明だが印象に残った。
魔法使いのピラミッドの南側を通り、ゲートへ続く階段を下る。
バス停へ急ぐと14時45分に着いた。
 
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チョコレート博物館。少し時間があったので、看板で見かけた道路反対側近くのチョコレート博物館へ立ち寄ってみた。
 
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チョコレート博物館。見学する時間はないので、チョコレート目当てである。
 
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チョコレートのパッケージ
ショコラトゥルが原名。多くの種類から1箱100ペソのチョコレートを購入。ベラクルス州産ピンクペッパー味のダークチョコレート。カカオ72%。
 
昼食代わりにチョコレートを食べながら、バスを待つ。30分以上待ってもバスは来ない。ユカタンではバスの遅延は有名である。30人以上の客がバス停で待っていた。45分遅れでバスが来て、ようやくメリダへ帰った。パレンケ行きの夜行バスを予約。22時発。536ペソ。
ホテルへ徒歩で戻り、デポしたザックを回収。日曜日で賑わうソカロのベンチに座り、屋台で買った軽食を食べながら時間をつぶし、バスターミナル近くの食堂でサンドイッチを食べて、パレンケ行きのバスに乗り込んだ。

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