12時過ぎに、メリダ市内の2等バスターミナルから、カンペチェ行きのバスに乗り、幹線道路上にあるバス停に13時30分頃に着いた。5分ほど歩いて、遺跡入口に着いた。ゲートから階段を数分登ると、突然出現した巨大なピラミッドに圧倒されたた。通称「魔法使いのピラミッド」である。
マヤ文明の最後の華やかな栄光とされるプウク様式建築で知られるウシュマルはユカタン半島北部のプウク地方にあり、メリダの南方78kmの地点にある。
マヤ文明が最盛期にあった7世紀から10世紀にかけて、政治と経済の中心地として繁栄した古代都市であった。
最盛期の人口は、2万5千人ほどと推定されているウシュマルは、ユカタン西部でもっとも強力な都市であった。チチェン・イッツアと同盟を結んで北部ユカタン全域を支配したが、チチェン・イッツアからマヤパンへユカタンの権力が移っていく頃から衰退していった。
ほかのピラミッドとは違い、小判型の石を積み上げた丸みのある形が優雅で女性的な印象を与える。
人々が雨の神「チャク」を崇めたのは、この地方が乾燥した丘陵地帯のため、水を確保することが難しかったことに理由がある。ウシュマル周辺には、今もマヤ人の集落が点在する。トウモロコシを主食とするマヤ人にとって、水はいかに大切なものだったのかが分かる。
手前の石棒は男性である雨の神の象徴で、女性である大地へ刺さった石は神と大地の交わりの意味を持ち、豊穣のメタファーであるという。
建物は横187m、縦170m、高さ10mというメソアメリカ最長の壮大な基壇の上に建てられている。
建物の前には胸のつながった2頭のジャガー像が置かれている。強大な支配力の象徴とされる。
しかし、登ることはできなかった。メリダへ帰るバスの時刻が15時で、時間は余裕があるはずだったが、総督の宮殿あたりから、急に便意を催したからである。周囲を見てもトイレはなかったので焦った。大ピラミッドの北側に低い灌木帯へ移行。人の通り道から数mほど外れた灌木の脇にうずくまった。イグアナの気配を気にしながらのキジウチであった。
魔法使いのピラミッドの南側を通り、ゲートへ続く階段を下る。
バス停へ急ぐと14時45分に着いた。
チョコレートのパッケージ。
ショコラトゥルが原名。多くの種類から1箱100ペソのチョコレートを購入。ベラクルス州産ピンクペッパー味のダークチョコレート。カカオ72%。
昼食代わりにチョコレートを食べながら、バスを待つ。30分以上待ってもバスは来ない。ユカタンではバスの遅延は有名である。30人以上の客がバス停で待っていた。45分遅れでバスが来て、ようやくメリダへ帰った。パレンケ行きの夜行バスを予約。22時発。536ペソ。
ホテルへ徒歩で戻り、デポしたザックを回収。日曜日で賑わうソカロのベンチに座り、屋台で買った軽食を食べながら時間をつぶし、バスターミナル近くの食堂でサンドイッチを食べて、パレンケ行きのバスに乗り込んだ。