アクセスが分かりにくかったが、あさやま工業の水色のタンクが目印で、それを見つけて、その手前左側に「井仁棚田」の案内標識があり、左の細い道に入って、中国自動車道の下を通り、山道をぐるぐる登り、狭いトンネルをくぐると、集落に出て、棚田展望所に着いた。
標高500~550mの集落全体が山に囲まれた、すり鉢状の傾斜地で、「井」は丸い、「仁」は村・集落の意味があると言われている。
棚田の枚数は324枚で江戸時代中期には開発されていたという。
中国自動車道に沿って吉和冠山の登山口である廿日市市吉和の潮原温泉方面へ向かった。
9時30分に鉄製の橋から出発。沢沿いに進んでオオタキに着き、左の緩やかなクルソン谷を登る。オオタキの反対側からも大きな工事の音がする。クマよけには丁度良い。
見上げると、その立派さには感動する。
次に岩列の右側を見ると踏み跡がある。辿ると、岩列の先に出たが、先には進めない。左を覗くと、ローソク岩方面への補助ロープが見えた。先ほどの中央部2段目でみたときは、単に滑落注意のロープと思って見過ごした。とうとう、ルートは左側からと分かったが、中央の岩列からどう行くのかが分からない。クルソン岩経由で下へ戻り、右側へ登っていくと、明確なルートがあり、補助ロープ、ローソク岩へ登るロープの全貌も見えた。結局は中央岩列の基部左の大岩の間を乗り越せば良かったのだが、残念ながら一目では分かりづらい。
30分消耗し、11時5分に山頂へ向け出発。クルソン岩出合まで坂を下ると、すぐにマムシ大1、小2匹に遭遇。ここはマムシ坂か。広場的なクルソン岩出合に着く。国体エスケープルートと看板が出ているくらいのコースが続く。坂が急になりだしたら山頂台地は近かった。
北側に展望のある崖があるというので、歩いたら南西へ間違って進んでいることに気づき、戻り返して山頂を通り抜けるとすぐに崖があった。見晴らしは良い。ここで休憩。
山頂から12時11分に下山開始。すぐに、中年男性と出会う。私の熊鈴の音を聞いて、ヤッホーと叫んだ。今時珍しい。クルソン仏岩分岐に近づくと、やはり中年男性がいて、私が近づくのを待って、ここはどっちに行ったらいいですか、と尋ねてきた。地図はと言うと、持っていないという。装備もハイキング程度の軽装で、地図も持たないとは安易だと思いながら、この山に来てクルソン岩に行かないと勿体ないよ、と答えて、左へ登ったらと答えた。左の岩に登れば、絶景だとも伝えたが、どうしたかは分からない。2分ほど話を交わして分かれた
13時17分登山口の鉄製の橋に到着。潮原温泉へ入浴に向かう。
潮原温泉のいわれが、飲泉の横に書いてあった。
飛鳥時代より、拘留尊仏岩を源とする霊水がこの地に湧き出て、その湯だまりで、鳥獣が傷を癒し、快癒するのを見た松川大然和尚が薬効あるを知り霊水の功徳を万民に施すため開湯する。
霊水には温泉治療基準の約14倍のラドンを含有しているという。
廿日市市の道の駅羅漢で車中泊。山口県周遊以来約1年ぶり。ここは温泉があるので、数台泊車がいた。
上田宗箇(重安)(1563~1650)は尾張星崎に丹羽長秀の家臣の子として生まれた。丹羽長秀や豊臣秀吉に仕えた武将であるが、古田織部に学んだ茶人でもあり、徳島状表御御殿庭園、広島の縮景園、名古屋城二の丸庭園などの造園も手掛けている。のちに広島藩浅野家の客分の家老として、佐伯郡小方に1万2千石を領した。晩年はここ浅原に隠棲し茶三昧の生活を送り、朝夕この水を汲みに通ったといわれる。現在も整備が行き届き、清冽な水がわき出ている。
茶道の流派である上田宗箇流が広島を本拠に続いていることは知っていた。有難く水を汲ませていただいた。
三倉岳の登山口に着き、昨日のように少しでも楽をしようと、三倉岳休憩所へ向かった。見ると、建物内に人影があったので、中へ入ると管理人夫婦がいて、今日は休みなので、入口にロープが張ってあるはずなのに、何故入れたのかと不思議がられた。児童のいたずららしかった。それでも、少し話をして、登山者名簿に記帳し、登山図付きのパンフを渡してくれた。雨はまだ降っていなかったので、午前中はもつだろうと、話を交わした。
車はここに停められないので、下のマロン・ウォールのある大駐車場へ移した。
9時1分に駐車場を出発。旦那が道路を閉鎖しに来ていた。こんな天気なので、誰もいない。Bコースの表示に従い、登山道は整備されているものの、急な石段に体力を消耗しながら、朝日岳分岐に9時47分に到着。分県ガイドには朝日岳の表記はないので、貰った案内図で確認した。
数分で頂上の岩群に着くが、どこが山頂かははっきりしない。分岐へ戻り、中ノ岳へ。すぐに、赤いロープが左の岩の上から垂れ下がっているのを見つけた。まさかと思いながらも20mほど登ると、岩しかなく、ロッククライミングの練習地帯であった。
山頂から下ったあとは、鎖場を再度登り直して、表示の地点から下ノ岳への鞍部へと下った。
最高点のある山頂へ向かう。
急な石段を下っていく。
ここから三倉岳を見上げる。空にそびえる三本の槍。県下屈指の名峰とは確かに間違いがない。天気予報の逆手を取り、雨が本振りになる前に登山を終えたのは好判断であった。
11時43分、駐車場登山口に帰着。
久し振りに見る瀬戸内海方面へ向かった。