グアダラハラ。ハリスコ州庁舎。
2014年11月26日(水)。
ハリスコ州庁舎はカテドラルとともに、アルマス広場に面して建てられている。17世紀から18世紀にかけて建てられた新古典主義様式の建物である。
1810年、メキシコ独立指導者ミゲル・イダルゴ神父がメキシコ独立戦争のとき、グアダラハラに進軍し新政府を設置すると共に、ここハリスコ州政府庁舎で奴隷解放宣言をした。
グアダラハラ出身の画家オロスコが描いた有名な壁画「戦うイダルゴ神父」が建物内部にある。
ハリスコ州庁舎。
内部には自由に入場できる。中庭では、ウエディングドレスを着た女性を写真撮影していた。
ハリスコ州庁舎。小規模な歴史博物館が内部にある。
カテドラルを見学をする前に、グアダラハラ地方博物館を見学しようとしたが、その場所は工事で閉鎖中であった。展示資料を一時的にここへ移転したらしい。
ハリスコ州庁舎。歴史博物館入口。
ハリスコ州庁舎。歴史博物館。
水道近代化工事の遺産である当時の土管から外側を覗けるようになっている。
ハリスコ州庁舎。歴史博物館。
スペイン人入植者たちと先住民の戦いの様子が描かれている。
1532年、当時、ヌエバ・エスパーニャの領主であったヌーニョ・デ・グスマンが、現在の現在のサカテカス州の一角にグアダラハラという名のスペイン人入植地を作らせたが、先住民の抵抗を受けて各地を移転し、1542年にようやく定住の地として現在のグアダラハラに落ち着いた。これが、グアダラハラの始まりである。
ハリスコとは砂地の意味で、当時この地にいくつかあった王国の名前である。
ハリスコ州庁舎。歴史博物館。
球戯の競技者像。200~900年。グアダラハラ地方博物館蔵。
壁画「戦うイダルゴ神父」。
グアダラハラ出身の画家オロスコが1937年に描いた。1階から2階に上がる階段の壁全面に遠近法を利用して描かれている。
壁画「戦うイダルゴ神父」。
ミゲル・イダルゴ神父(1753~1811年)は、メキシコ独立運動における初期の指導者。独立闘争の途上で捕らえられ処刑された。「メキシコ独立の父」として評価されている。1753年グアナフアト州に生まれたクリオーリョ(植民地生まれの白人)である。
1808年に、スペイン本国にナポレオン軍が侵攻し、国王フェルナンド7世を退位させ、ナポレオンの兄であるジョゼフ・ボナパルトを即位させると、このニュースがメキシコに伝わり、メキシコ市やバジャドリッド市などでは自治を目指す運動が起こった。
1810年9月16日、グアナフアト州の小さな町ドローレスのカトリック司祭であったイダルゴは演説を行い、先住民や混血民を中心とする周辺住民を率いて植民地政府に対して武装蜂起を起こした。蜂起が始まり、貧しい先住民や混血民が多数参加して規模が大きくなると、人頭税の廃止、奴隷制度の廃止、土地改革などを要求した。
メキシコシティの攻略に失敗して反乱軍が劣勢にたたされると、1811年にスペイン側に逮捕され、チワワで3人の同志と共に銃殺刑に処され、晒し首にされた。
壁画「戦うイダルゴ神父」。
壁画「戦うイダルゴ神父」。
壁画「戦うイダルゴ神父」。
2階階段上から。
壁画「戦うイダルゴ神父」。
2階回廊から。
ハリスコ州庁舎。
2階回廊からカテドラルの尖塔を眺める。
ハリスコ州庁舎。
円形の別棟。上部。
ハリスコ州庁舎。
円形の別棟。下部。
ハリスコ州庁舎。
円形の別棟と庁舎の接合部。
ハリスコ州庁舎。議会棟。
天井にもオロスコの壁画がある。
ハリスコ州庁舎。議会棟天井の壁画。
奴隷がつながれていた鎖を切断して解放される様子が描かれている。
ハリスコ州庁舎。議会棟天井の壁画。
ハリスコ州庁舎。議会棟天井の壁画。
30分近く見学し、世界遺産オスピシオ・カバーニャスへ向かう。