2014年11月26日(水)。
ハリスコ州庁舎の見学を終え、東へ徒歩10分ほどの世界遺産オスピシオ・カバーニャスへ向かう。市街地の中心部にあたり、大変人通りが多い。途中に、建物はなく、タパティア公園があるのみなのでオスピシオ・カバーニャスが見えている。
広い街路になっており、人工池、植栽などもあり、良好な都市景観に感心した。日本では見かけない。
タパティア公園には、現代美術のオブジェが展示されている。なかなかオブジェが似合う空間になっている。
長方形の人工池がある。
ペディメントのあるファサード、中央にはチャペルのドームがそびえる。
オスピシオ・カバーニャスは孤児院および病院の複合施設で、スペイン語圏アメリカにおける最も歴史が古く、規模の大きい総合病院で、1791年、グアダラハラ司教により、感化院、病院、孤児院、救貧院の機能を統合する複合施設として設立され、建物は1810年に完成した。
名前はグアダラハラ管区司教のホアン・ルイズ・デ・カバーニャスに由来する。
メキシコ・シティ出身の建築家マヌエル・トルサーが設計に携わり、パリのゴシック様式のオテル・デ・ザンヴァリッドや、マドリード近郊のエル・エスコリアル修道院などに準拠した新古典様式に分類される。
建物は164メートル×145メートルの巨大な長方形を形作っており、一階建てで高さは7.5メートルに達する。チャペルはその倍以上の高さを備えつつ、ドームの高さは32.5メートルである。これらの一連の建物は病人、年配の人、子供たちが容易に行き来できるように単一階にすべて形成されている。中庭が多く、採光が留意されている。
1980年まで病院施設をもつ孤児院として利用され、3000人もの孤児が生活していたこの救貧施設は、現在はカバーニャス文化協会の文化センターとして、美術の展示会場や、舞踊会場などに利用されている。
世界遺産オスピシオ・カバーニャス。チャペル。
バロック風の装飾台。鐘が吊られている。
内部には、グアダラハラ出身の画家オロスコ(1883~1949年)によって、施設の壁や天井に「スペインのメキシコ侵略」と総称される100点以上の絵が描かれた。虐げられた者の怒りと悲しみを、力強いタッチで描いたこれらの作品は、施設に暮らす人々の心を癒し、勇気づけた。
ベンチが置かれ、あおむけになって天井の壁画を鑑賞できるようになっている。
ドーム天井中央部の「炎の人」。(1936~1939年)。オロスコの最高傑作とされる。
「スペインのメキシコ侵略」。
「スペインのメキシコ侵略」。
「スペインのメキシコ侵略」。
「スペインのメキシコ侵略」。
イスラム建築の影響を受けたスペイン建築の様式を受け継いでいる。
チャペルの裏へ回る。