ヒゲクジラのヒゲ。太地町立くじらの博物館。
平成27年11月15日(日)。太地町。
那智勝浦町下里地区から反時計回りでくじらの博物館へ向かった。入場料1300円と高い。ただ、串本海中公園との2館入場料は2000円と安くなることを知った。イルカショー、クジラーショーの開始時刻を考え合わせながら、本館の展示を見ていった。
2階展示室で特別展「クジラにも髭がある―クジラヒゲからみる 私たちとクジラの意外な関係―」が開かれていた。商業捕鯨の禁止で現在では入手困難となったクジラのヒゲと、日本人の生活や文化との深いつながりを約40点の資料で紹介している。
入口のクロミンククジラの頭部模型には、実物のヒゲ板がついているのでヒゲクジラの口の中の構造がよく分かる。
難産の際に胎児を取り出す「探頷器(たんがんき)」。
セミクジラなどのヒゲはほどよい弾力性や耐水性、温めると柔らかくなる特性から、漁具や医療器具、武器などさまざまな用途に使われてきた。会場には鵜飼の「ツモソ」(手縄を絡み難くするための細縄)や、火縄銃の火道を掃除する「せせり」などに使用された。
ヒゲクジラの骨格標本。
鯨ヒゲの配列。
鯨胎児標本。
セミクジラの睾丸。
成熟してまもないセミクジラのもの。直径約80㎝、重さは左右合計で約200㎏。2つあるうちの片側の睾丸を2つに切断して展示している。セミクジラの睾丸は特に大きく、動物の中でも最大であることが知られている。
雌性生殖器。
肛門と一つにつながった生殖溝とよばれる長い溝の中にある。生殖見寺の両側には乳溝という短い溝があり、乳頭(乳首)が隠れている。
鯨の年齢査定。ナガスクジラの耳垢。
鯨の年齢査定。ナガスクジラの耳垢。
哺乳類の特徴。胎児で生まれる。母乳で育てる。
哺乳類の特徴。首の骨が7つある。
クジラの進化。
クジラの進化。インドハイアス。パキケタス。アンブロケタス。
クジラの進化。ロドケタス。ドルドン。
陸上生活から水中生活への鯨類進化の過程。
4900万年前、パキケタス。4800万年前、アンブロケタス。4700万年前、ロドケタス。3700万年前、ドルドン。2300万年前、現生の鯨類。
全身骨格標本。パキケタス(レプリカ)。
最も初期のクジラとされる動物。イヌのような4本の足を持つが、骨が重く陸上での長時間の歩行はできなかったと考えられる。「ケタス」にはクジラという意味があり、その名はパキスタンから発見されたことに由来する。
腹びれのあるバンドウイルカ「はるか」。資料館。
「はるか」は、2006年10月から2013年4月にくじらの博物館で飼育されたメスのバンドウイルカで、下腹部に、退化した後肢が先祖返りしたと考えられる一対のひれがあり、学術的に貴重なものとして注目された。
「はるか」との出会い
鯨類の進化。脚とひれ。
「はるか」のゲノム解析。