テラコッタ。ラ・トリータ文化。プレコロンビア美術館。
2015年6月3日(水)。キト。世界遺産セントロ・ヒストリコ地区。
地方発展期(BC300からBC700年頃)には、階層社会や祭祀センターなどが成立した。
海岸地域では、北からラ・トリータ、ハマ・コアケ、バイーア、グアンガラなどの諸文化が知られる。前者二つでは型入れによる中空の大型土偶が製作され、冶金術も大きく発展した。
ラ・トリータ文化はBC350~AD350年の間に、海岸北端のエスメラルダス県に栄え、その範囲はコロンビアのナリーニョ県トゥマコまで広がっていた。マングローブの豊富な多雨地帯で広い河川が存在し、河口には多くの島があった。ラ・トリータ島もその一つで、島内には小丘があった。その丘には神殿、首長層の住居、墓域があった。死者は金属を含め装身具で飾られた。
経済的には農業に依存しており、トウモロコシ、カボチャ、唐辛子、豆、キャッサバを栽培した。また、ペッカリー、ジャガー、鹿、アルマジロなどの狩猟やマングローブでカタツムリ、カメ、イグアナ、魚および貝の採集も行っていた。
土偶。ラ・トリータ文化。心の平静さと知性を表現している。
ラ・トリータの陶芸は灰色の粘土の使用によって特徴付けられる。水差し彼らは投手、三脚ガラス、香炉、キャッサバのおろし器などを製作した。
土偶は型を使って制作され、神官、首長、シャーマンなどの人型土偶や牙をはやした怪人など超自然的存在を表現した土偶が作られた。
冶金では金、銀、銅、プラチナを材料にして精巧なマスク、ブレスレット、リング、ペンダント、唇飾り、鼻飾り、腕輪、頭飾り、ピン、ジャガー像、蛇像を製作した。
ラ・トリータ島は大きな祭祀センターで、権威ある交易地としてアマゾンや山岳地域と交流し、威信財として儀式で使用される黒曜石、水晶、エメラルドを取得した。
人々は、カイマン、ジャガー、ヘビ、鷲などを混合したものを神や守護霊として崇拝した。
土偶。ハマ・コアケ文化。太陽神を象徴している。
ハマ・コアケ文化はBC350~AD1530年の間、北中部のエスメラルダス県・マナビ県の海岸や丘陵地帯に展開し、ハマ流域とコアケ流域に散在した町を形成し、広場、神殿、公共の建物を造った。た。シャーマンの住居・神殿では儀式が行われた。
テラコッタ。ハマ・コアケ文化。
土偶。猟師と獲物。ハマ・コアケ文化。館蔵名品。
彼らの生活は農業に依存しており、トウモロコシ、豆、キャッサバ、カボチャ、綿などを栽培した。
また、補充的に漁業やアルマジロ、ジャガー、カメなどの狩猟もしていた。
戦士たちの土偶。ハマ・コアケ文化。
出土品からは社会の階層分化が進んで祭祀が重視されたことを示している。
金細工では金箔の延金、打ち出し技術が見られる。
陶製仮面。ハマ・コアケ文化。
陶器は中空で写実的な型どりによる人型土偶や動物の土偶が特徴的。ヘビ、鷲の眼、ジャガーの牙の形象と緑、黄、黒と白の顔料により鮮やかな彩色が施され装飾された。
土偶。ハマ・コアケ文化。戦士、シャーマン、首長。
神官や戦士を思わせる土偶がみられ、装飾部品の取り換えも可能になっている。
スタンプ。ハマ・コアケ文化。 高度な織物が発達していたことを示す。
土偶。ラ・トリータ文化。ハマ・コアケ文化。
金製品。ラ・トリータ文化。ハマ・コアケ文化。
金製品。ラ・トリータ文化。ハマ・コアケ文化。
バイーア文化はネガティブ技法(土器本来の胎土の色が白っぽく浮き上がる施文技法)の土器と人間や動物をかたどった頭にいぼ状の頭飾りをつけた土偶で知られる。
陶器。グアンガラ文化。
グアンガラ文化はBC200~AD800年の間に中南西海岸部サンタエレナ県のサンタエレナ半島で栄えた。トウモロコシやカボチャなどの栽培で生活し、エビ、カニ、貝の採集とカメ、アルマジロ、鹿などを狩猟して暮らした。
冶金術が発達し、針、鼻輪、銅製釣鉤などを鍛造、圧延、鋳造、溶接などの技術で製作した。
銅製のタガネ、斧、ナイフなどの道具を使い、筏や装身具を製造した。
陶器は豊富に装飾された。多彩色や直線や幾何学的な形状をもつ。また、子供用の陶製棺も製作された。