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エクアドル キト プレコロンビア美術館 マンテーニョ文化 ミラグロ・ケベード文化

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 石彫。マンテーニョ・グアンカビルカ文化(AD11001520年)。プレコロンビア美術館。
201563日(水)。キト。世界遺産セントロ・ヒストリコ地区。
石彫は祭祀施設に置かれ、首長権力の強大さを象徴した。
 
AD700年からAD1550年頃までは統合期と呼ばれ、諸地域が権力者によってまとめあげられていった時代である。
海岸地帯では、マンテーニョ文化、ミラグロ・ケベード文化が栄えた。これらの文化では広域におよぶ交易に携わっており、遺跡からは天秤用の錘や斧型の貨幣も出土している。
マンテーニョはエクアドル以北の温暖な海域のみに生息し、祭祀において重要であったスポンディルスという二枚貝を通じて、ペルーやメソアメリカと交易をしていた。
 
マンテーニョ文化ではサランゴと呼ばれる強力な首長を戴いた首長制社会が成立していたことがスペイン人の残した記録から明らかになっている。
黒色に磨かれて頭に皿をつけた男性立像や「石の座席」と呼ばれるうずくまった人物やネコ科動物がU字状の台を背負ったような石彫で知られる。「石の座席」はもともと祭祀に用いられた建物の内壁にそって並べられていたことが、マンテーニョ文化に属するアグア・ブランカ遺跡の調査で判明した。
 
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 陶器。マンテーニョ・グアンカビルカ文化。
 
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  土偶。マンテーニョ・グアンカビルカ文化。
 
マンテーニョ・グアンカビルカ文化(AD11001520年)は、グアヤキル河口部から西の太平洋沿岸部に発展した。
カッサバ、トウモロコシ、ピーナッツ、トマト、唐辛子、パイナップル、アボカド、カボチャなどを栽培した。シカ、ペッカリーなどを狩り、リャマやアヒルを家畜化した。海や入江ででは貝や魚を獲った。
バルサ材の大型船により織物、スポンディルス貝、真珠、ラピスラズリ、トルコ石、銅などを交易した。
石の基壇の上に大きな祭祀施設を造っており、U字型の石椅子が多く出土している。
陶器は黒褐色で、表面が磨かれている。裸の男女像の土偶は権力の椅子に座る首長層を表現している。
綿織物やリャマの毛織物は色鮮やかで名高く、織物用の骨・金・銀・銅でできた針が作られた。冶金術にも優れ、鼻輪や耳輪などが作られた
 
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 ミラグロ・ケベード文化。AD700AD1530年。銅製品やその鋳型など。
 
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 ミラグロ・ケベード文化。AD700AD1530年。銅製品や金属加工具、鋳型など。
 
ミラグロ・ケベード文化はグアヤス川流域の河口部グアヤキルから北方へ広い領域で発展した。チョノスという民族集団が担い手で、海岸にありながらアマゾン地域のキホス族の征服を契機に成立したことが指摘されている。
人口は多く、強大な指導センターを持っていた。トーラスという高台に祭祀施設や公共の建物を建設した。
煙突状の墓が特徴的で、壺が重ねられ、最上部に財物と骨を置いた。
大河という便利な水路を利用した交易がおこなわれた。堤防と耕地を形成してトウモロコシ、キャッサバなどを栽培した。。
陶器では皿、鉢、キンチェンの魔術師とよばれる大きな容器などを作った。ヘビとカエルの文様が彫られた。冶金術にも長じ、銅で針、たがね、鉤などを作った。
 
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 トーテム像。銅製。ミラグロ・ケベード文化。
祖先神が地下界から子孫を見守る。
 
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 胸飾り。砒素銅製。ミラグロ・ケベード文化。
神が聖的で寡黙な表情で用心深く保護している。                           
 
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  金製品。カルチ・パスト文化。AD7501550年。カルチ県はコロンビアと接する。
 
山岳地帯の文化では、北からトゥサ、カプリ、カランキ(コチャスキ)、パンサレオ、プルワ、カニャリ、パルタなどがある。キト以北では、ミンダラエスという商人階級の社会集団が存在し、海岸部やアマゾン地域と、金属製品、織物、コカの葉、塩、スポンディルス貝などを交易していた。
 
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 多彩色の皿。カプリ出土。BC500AD500年。
カプリはコロンビアに接する北西部丘陵地。内面の多彩色の文様は4個の太陽が輝く世界において発散するエネルギーと社会的繁栄を表現している。
 
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 祖先神石像。キト。チャピクルス。AD500年~1540年。
儀式空間の床面に腰まで埋めて置かれ、地下界から現れた祖先神を象徴させた。
 
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甕棺など。ナポ文化。AD12001600年。
ナポ文化は東部のアマゾン地域ナポ川流域に住んだオマグアスとよばれる人々の文化。パーム椰子で葺かれた円形の家に住み、フルーツを採集したり川で罠を仕掛けるために篭を使用した。クリーム色の重い容器を精巧に制作した。陶器を人型やジャガーやアナコンダなど信仰する動物の姿を黒、赤、白色で装飾した。大型容器はチチャ酒の収蔵用として使用した。
アマゾンの川で採れるウナギ、ピラニアの川魚や鳥、サル、アルマジロ、トカゲなどを狩猟して食料とした。
シャーマンは儀式のさいヤゲという神聖な飲料を飲み、ジャガーやアナコンダに共同体を支える精神的な力を借りる。
死者はいったん大地に置かれ、肉体を動物に食べさせる。その後、骨を集めて彩色し、豪華に装飾された甕棺の中に埋納する風習があった。
 
エクアドルは15世紀後半にインカ帝国10代皇帝トゥパク・インカ・ユパンキによって征服された。エクアドル南部にはクスコと同様の重要性を帯びたトメバンバ(アクリャ・ワシ)という都市が配され、11代皇帝ワイナ・カパックはそこで生まれた。ワイナ・カパックには二人の息子がおり、キト北方出身のオタバロ族の母親を持つアタワルパにキトを支配させ、もう一人の息子ワスカルに首都クスコを支配させることを提案したあとワイナ・カパックが亡くなるとワスカルが11代皇帝となったが、帝位継承を巡って内乱が起こり、勝利したアタワルパが12代皇帝となった。
 
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  展示品。     
 
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 展示品。
 
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 展示品。
 
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 展示品。
 
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 展示品。
 
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 展示品。
 
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 邸宅。階上の吹き抜け。
 
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 邸宅。階上の吹き抜け。
 
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パテイオ。入口方向。
 
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 パティオ。入口側から奥方向。
 
1時間余り見学したのち、サン・フランシスコ教会・修道院とカテドラル方面へ戻った。

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