ホテルから眺めるアカデミー湾。ガラパゴス。サンタ・クルス島。プエルト・アヨラ。
2015年6月4日(木)。
朝は晴れて、湾内には多くの船が見られた。
本日は昨日予約しておいた島内半日ツアー。料金は40ドル。ロス・ヘメロスとスカレシア群落、エル・チャドのゾウガメ、溶岩トンネルがセット。
スカレシアの森。
島内を縦断するハイウェイで内陸部へ向かう。高地では周囲にスカレシアの群落が育っている。
ロス・ヘメロス。
双子というスペイン語。二つの大きな陥没孔(クレーター)が近接して存在しており、その周囲の遊歩道を歩き、スカレシアを観察する。
スカレシアを見たかったのは、「ガラパゴス諸島―世界遺産・エコツーリズム・エルニーニョ」 (伊藤秀三著)を読んで、興味をそそられたため。
遊歩道。ガイド。
スカレシア。
ガラパゴスは火山起原の群島であるから、すべての陸上生物は大陸または他の陸地から、海流、気流、または鳥によって運び込まれた生物の子孫である。群島は大陸から約一千キロ隔離されているので、島の上では独自の生物進化が進む。その結果、多くの固有種が進化し、固有種率は陸産節足動物 52 %、陸産貝類 96 %、陸産爬虫類 100 %、陸産哺乳類 89 %、種子植物 51 %に達している。
固有種のうち良く知られているのは、ガラパゴスゾウガメ( 13 亜種)、リクイグアナ 2 種、ウミイグアナ、ガラパゴスペンギン、ガラパゴスコバネウ、ダーウィンフィンチ 13 種、キク科の木本植物スカレシア( 15 種)、サボテン科の 3 属 8 種などである。
スカレシアは、ガラパゴス諸島に特産するキク科の木本属で、同諸島特産のゾウガメやフィンチとともに,19世紀初めビーグル号で訪れたダーウィンに注目されたことで有名である。草丈1~2mの低木種と高さ5~20mに達する高木種があり,前者は海岸付近に後者は島の内陸部に生じる。ともに葉は互生し単葉。葉柄が長くヒマワリに似た三角状楕円形のものと,シュンギクのように細裂する種とがある。
スカレシアの幼木。
ガラパゴスでは植物の世界においても、様々な種に分かれて適応放散が認められる。
その代表的なものがガラパゴス固有のキク科の植物である「スカレシア」である。もともとガラパゴスには植物の種が少なく、特に樹木が非常に少なかった。スカレシアの祖先は背の低い植物であるが、樹木という「ニッチ」が空いていたために、そこへ入り込む形で適応放散がなされたものと考えられている。小笠原諸島の母島にも木本キク科のワダンノキがある。
一見、同じ祖先を持つ植物とは思えないほどの適応放散を起こした典型的な例である
スカレシア。
たいていのスカレシアはコケ類に覆われている。
スカレシア。
スカレシアのガラパゴスでの固有種は15種類あり、高さは1mから15mまでと様々である。ロス・ヘメロスで優勢な種はスカレシアの樹木タイプである。スカレシアは地味が良く湿潤な地帯に生育するが、外来種のブラックベリーなどに脅かされている。
スカレシア。幼木。
まさに、キクと同じで、本来は草であることが分かる。
スカレシアとコケ。
陥没孔(クレーター)。
火口が陥没してできた。
陥没孔。
陥没孔。
スカレシア。
スカレシア。
折れた枝の断面は、針葉樹などの断面と明らかに違う。