ロス・ペロスへのクルーズ船から。
2015年6月6日(土)。ガラパゴス諸島。サンタクルス島。
本日は早朝から、90ドルで予約しておいたフロレアーナ島への一日クルーズが始まるはずだった。タメ航空営業所付近の宿泊したホテル近くにある旅行オフィスで予約したのだが、バウチャーが見つからないので、ピックアップのときにどう伝えようかと、ホテル近くで待っていても、全然来ない。すると、旅行オフィスの職員がやってきて、船が故障して中止になったという。今から他のクルーズには乗れない。翌日朝にはグアヤキルへ出発するので、どうしようかと思うと、10時からサンタ・クルス島のミニクルーズがあるからどうだという。仕方がないので、80ドルと割高だが参加することにして、桟橋に向かい、乗船した。
サメ。
海岸線を行く。
ロス・ペロスへの桟橋上陸。
ペロは犬の意味だが。
海岸近くの入江。
ロス・ペロスビーチへ。
ロス・ペロスビーチへの遊歩道。
ロス・ペロスビーチへの遊歩道。
ロス・ペロスビーチ。
ウミイグアナのコロニーがある。桟橋から10分ほどで到着。
ガラパゴスウミイグアナ。あちこちにいる。
ガラパゴスウミイグアナは「進化論の島」ガラパゴス諸島を代表する生きもので、世界に600種類以上いるイグアナの中で唯一、海に潜ることができる。
南アメリカの陸上で生活していたイグアナが、数百万年前に流木などの漂流物に乗って海を渡り、ガラパゴスまで流れ着いたと科学者は推測する。そのイグアナが進化してウミイグアナになり、ガラパゴス諸島のほぼ全域に生息するようになった。ウミイグアナの大きさや形、色は生息する島ごとに異なっている。
ガラパゴスに暮らすウミイグアナの数は70万匹以上で、町中のレストランやカップルが寝そべるビーチまで、ありとあらゆる所に出没するほどの大繁栄を遂げている。ガラパゴスにはもう一種類陸上生活が専門のガラパゴスリクイグアナがいるが、その繁栄ぶりは雲泥の差で、祖先の特徴を色濃く残すリクイグアナの生息数はわずか1万匹しかいない。
ガラパゴスウミイグアナ。
ガラパゴス諸島のウミイグアナは、非常に容貌が醜いことで有名だ。チャールズ・ダーウィンはウミイグアナを「おぞましく」「最も醜く不格好なトカゲ」と記している。実際、ウミイグアナは決して美しいとは言えない。離れた目や潰れたような顔をしていて、背のうろこはトゲトゲしており、コブだらけの頭は塩で覆われている。しかし、ウミイグアナの生態系への独特な適応の仕方は驚くべきものであり、それが容貌と引き換えになったとも考えられそうである。
ガラパゴスウミイグアナ。灰色の保護色。
全長120~150㎝。頭胴長30~55㎝。頭部や頸部は太くて短い。頭部背面は瘤状に隆起する。頸部背面には12~20枚の刺状の鱗(クレスト)が並び、胴体背面から尾の先端にかけてもクレストが並ぶ。尾は頭胴長の1.5倍に達し、側扁する。これにより海中で大きな推進力を得ることができる。体色は緑がかった灰褐色で、気温が高いと明色、気温が低いと暗色になる傾向がある。暗い体色は体温を上げるのに役立ったり、周囲の岩礁に似た保護色になると考えられている。
鼻孔に体内に溜まった塩分を排出する腺を持つ。四肢や指趾は頑丈で、また指趾は長く鋭い爪が生える。これにより海底の岩に爪を引っ掛けることで体を固定し、速い海流内でも採食を行うことができる。
ガラパゴスウミイグアナ。
ガラパゴス諸島周辺の海域は寒流で海水温が低いため、海から上がると日光浴をして体温を上げる。体温が上がりすぎると岩影や木陰に避難する。四肢を胴体にくっつけて、尾をくねらせて泳ぐ。危険を感じると鼻孔から塩分を吹きつけて威嚇する。幼体はイワカモメやガラパゴスノスリに捕食されることもある。
ガラパゴスウミイグアナ。
恐ろしい外見をしているが実際はとてもおとなしく、草食で水中の海藻だけを食べて生きている。短くて丸い鼻と小さく鋭い歯で、岩から海藻をこすり取るようにして食べ、縦に平たい尾を使ってワニのように泳ぐ。
長く鋭いツメがあり、陸上や流れの激しい海中で岩にしがみつくことができるようになっている。体の色は、ガラパゴスの冷たい海域にやってきた後、太陽光をより吸収しやすくするために暗い灰色に変化した。鼻孔には、海藻を食べるうちに体内にたまる塩分を排出するための腺がある。
海へ向かうガラパゴスウミイグアナ。横は説明するガイド。
ウミイグアナの成功の秘訣こそが、海に潜れるということ。海というフロンティアに進出し、海藻という手つかずの食べ物を独占することで、大成功を収めた。しかし、体温を一定に保てない「は虫類」のイグアナにとって、海に入るのはとっても大変なこと。とくにガラパゴス周辺の海は赤道直下にも関らず、ペンギンが泳ぐほど水が冷たい。ときに体温を奪われ動けなくなり、溺れ死ぬことさえある。冷たい海を克服するため、ウミイグアナは一日の大半を体温調節のために費やします。海で泳げるのはわずか1時間ほど、それ以外はほとんど一日中微動だにせず、海岸に横たわる。一見のんびり日光浴を楽しんでいるようにも見えるが、日向で体を温め続けないと凍えて動けなくなってしまう。
近くの岩場にいる鳥。