埋葬を描いた土器。モチェ文化。AD1世紀~8世紀。
ラファエル・ラルコ・エレーラ博物館。2015年6月20日(土)。
死者を納めた棺を運ぶ様子が絵付けされた土器。
古代アンデスでは、死は新たな生命の始まりに過ぎないという確信が存在していた。そのため、高位の人物の墓には、存命中にその人物が有していた全ての富みが納められたほか、死後の世界のために特別に作られたと考えられる装身具なども存在している。
葬儀は、宗教によって取り決められた長く複雑なプロセスであり。死者の身体の支度から墓あるいは霊廟、副葬品の制作、埋葬などによって成り立っていた。
戦士の踊りを描いた土器。骨製の笛。モチェ文化。
縄の踊りは、戦士の指導者らが最上の衣裳と装身具とともに参加した儀式であり、儀礼の戦いや生贄に関係する祝い事であった。縄の踊りはモチェ文化からインカ文化にいたる様々な古代アンデスの芸術に表現されている。
縄の踊りの場面では、中心人物は円錐形の兜や腰当てなど、戦死の指導者の装備を身に着けている。中心人物はネコ科動物の牙を持つ超自然的な存在として表され、縄を持った姿で中心に描かれており、その傍に2つの戦士集団がそれぞれの衣裳とともに描かれている。戦士たちの衣裳は四角い薄板や、吊り状の円盤など、さまざまな装飾が施されている。さらに、儀礼の踊り手や、太鼓や笛を演奏する音楽家たちが伴っている。
トゥミ(儀礼用ナイフ)。北海岸。AD1世紀~1532。
儀礼用ナイフのトゥミは、儀礼の戦いの場面で、超自然的な存在が敵の斬首に使用したものである。
儀礼用ナイフの形は、時代とともに様々に変化しや。柄の部分を動物や人物、儀式を象形的に表現したものもある。これらのナイフは、蝋型や鋳型によって作成された。
戦士の装束。銀の兜、銅のポーラ、兜をかぶった戦士の土器。モチェ文化。
豪華な戦士の装束は、戦いが儀礼的な性質のものであったことを示している。
モチェ芸術において、戦士の指導者らは円錐形の兜をかぶり、ポーラを担いでいる。儀礼用ナイフの中には、儀式において、同時にガラガラやポーラの役割を果たしたものもある。
ガラガラ付き銀製ナイフ。チムー文化。
銀製のガラガラの柄は儀礼用ナイフの形をしている。
古代アンデスでは様々な楽器が作られたが、特に打楽器は素材・形状・大きさともに多様である。
展示室風景。