ラファエル・ラルコ・エレーラ博物館。2015年6月20日(土)。
ワリ文化は現在のペルー南部山岳地帯のアヤクチョ県で発生した。ワリ文化では彩色された象形土器が作られ、文様は黒色で縁取りされた。
インカ支配下のチンチャ王国では、双方の様式が融合した土器が作られた。アリバロ(尖底土器)の様式はインカの影響の現れである。土器の頸部につながる柄はチンチャの特徴を受け継いでいる。
ウルプあるいはアリバロとよばれる尖底土器はインカの象徴的な土器であり、その名は類似した形を持つギリシア土器に由来する。インカ帝国の領域全土に存在していたアリバロは、儀礼用の飲料だったチチャ酒や祭儀用食料の生産や保存・輸送に用いられた。
インカを代表するもう一つの器は儀礼に用いられたケロであり、ティワナク文化に由来を持つ。一般的にケロは彫刻された木製で、刻線による装飾が施されている。ケロはスペインによる植民化以降も制作され、彫刻や彩色による絵付け・装飾が施されたほか、現座もアンデスの農村で生産され続けている。
インカを象徴する土器はアリバロである、壺の正面上部に主にネコ科動物を表す獣神の小型の頭部が取り付けられている。
その他の特徴として、杯や壺、鉢などに取り付けられた帯状の持ち手が挙げられる。
伝統的な南部の特徴である幾何学的文様や多色彩の表現が見られる。
肖像土器は臨場感があるほか、顏および頭部から突起物が出ている様式化されたネコ科動物は「片足立ちのネコ科動物」あるいは「月の動物」とよばれ、同時期に海岸地方で発達していたモチェ文化芸術においても頻繁に表現された。
チチカカ湖周辺の高原地帯で発達した文化で、記念碑や石造建築の技術に優れていた。
ケロとよばれる赤い色の儀礼用土器が特徴的で、幾何学模様や様式化されたネコ科動物あるいはコンドルの頭で装飾されている。
幾何学文様と様式化された獣神の表現が特徴的である。流れるような彩色方法はその他の古代アンデス土器と趣きを異にしている。彩色は土器の外側だけでなく、内側にも施されている。
土器は三脚型が主流で、脚付きの碗や皿も見られる。主にクリーム色、オレンジ色で彩色されている。
収蔵品倉庫の展示室へ向かう。
数室あり、ぎっしりと収納されている。
このあと、階段を下って広場向い側にある別棟のエロティック土器展示室へ向かう。