部落英雄と創造者。彭水光制作の木彫企画展示。魯凱(ルカイ)族文物館。
2016年12月3日(土)。屏東県。霧台。
岩板巷の散策を終え、魯凱(ルカイ)族文物館へ移動。女性職員に20元支払い入館。ロビーに木彫の展示があった。古い木彫ではなく、彭水光という現代彫刻家の木彫であった。イス彫刻で有名な霧台カトリック教会を見ることができなかったので、代用にはなった。
ルカイ族、パイワン族、プナン族の木彫感覚は優れている。マレーシアのオランアスリにも木彫に秀でた部族があるので、南島語族共通の芸術傾向があると考えられる。
彭水光は70歳代後半のルカイ族の原住民で原住民名は撒卡勒(サカル)。彫刻家、伝統歌謡作曲家、屏東基督永生神教會(Church of the Living God)の主任牧師。霧台鄉好茶部落の出身で、屏東県三和部落に撒卡勒文物陳列館が開館されている。
企画展示は原住民族委員会原住民族文化発展センターが指導。
槍を持つ部落英雄は狩猟で優秀な者。創造者は男神。
頭目。
百歩蛇は伝説上頭目の保護者で随伴者とされる。
テーブルとイス。
これは、素晴らしい。イスの全面を彫刻している。彭水光師の作品でなく、常設のものと思われる。
杵臼。
百歩蛇のモチーフ。上部は馘首のモチーフ。小米、干し芋頭、花生などを搗く。
小杵臼。
三連杯。
戦士や狩猟者などの栄誉者が中央、頭目が右、長老が左で小米酒の祝杯を挙げる。
飾り板。
栄誉杯。
頭目が部落の英雄に単杯を供する。
部落祭司。
シャーマン。祭祀の主宰、祭火の管理、神の食事を作る。部落で医療、豊作、慶事、占いに関与。
創造者。
女神。ビンロウの麻袋を背負い、嬰児を抱く。
石板造の移転家屋の展示へ向かう。