2016年12月4日(日)。高雄市。
地下鉄で高雄市立歴史博物館の最寄駅である塩埕埔駅で下車。北東の公園を通り抜け、大通りに出たが、道路反対側だったので、横断できず歩道橋まで戻って、近づいた。帰りは公園北側の歩道から駅へ戻った。
日本統治時代に建てられた建物として貴重である。
1938年に高雄市役所の庁舎として、清水組(現・清水建設)の設計により建設が開始され、1939年に完成した。
戦後は高雄市政府の庁舎として使われたが、1992年1月に市政府が移転したため、高雄市関連の歴史資料を保存する為に再利用する事となり、1998年10月に高雄市立歴史博物館として開館した。
当時流行した帝冠様式の建築で、コンクリート造の躯体に和風の屋根を載せたデザインが特徴である。愛知県庁舎、名古屋市役所庁舎も帝冠様式の建築物で、重要文化財に指定されている。
正面の形状は「高」を模したデザインという。薄い黄緑色とクリーム色のパステル調の色合いは軽やかな印象を与えている。隅部の帝冠は中央の天守に対する櫓という面もちをしている。瓦屋根の頂は宝瓶型の棟飾りがある。
1階の入口にはポーチが設けられ、その上部のバルコニーは当時、検閲や式典の際の司令台として使用された。
躯体部の装飾にはアールデコ様式の影響が見られ、内部も同様である。
10時15分ごろ入場。入場は無料。
アールデコ様式。
高
雄市立歴史博物館。2階廊下。アーチ型の回廊。
窓の装飾は幾何学的なアールデコ様式。
ライトの光と影が面白い。
アールデコ様式。
常設展示として、高雄における二二八事件が紹介されていた。
日本統治時代の旅行に関する特別展示が開催されていた。
鉄道旅行のモデルコース案内書とみられる。
1036年から日本航空運送株式会社が台北・福岡便を週3回運航し、早朝台北を出れば、夕方には東京で皇居を拝することができるといわれた。
1936年8月には、東線の台北―宜蘭―花蓮港、西線の台北―台中―台南―高雄、馬公線の台南―馬公が開設された。日支事変の進展とともに、燃料節約のため1940年から運航は縮減され、1941年には運航停止となり、飛行機が軍用に転用された。
台南―屏東―台東と繋いで台湾一周の循環運航がされたという。