彰化扇形車庫。入口。彰化市。
2017年10月12日(木)。
午前中に虎尾の見学を終え、バスに乗り、台湾鉄道の斗六駅へ行き、彰化扇形車庫を見学するため、区間列車に乗って1時間ほどで、14時ごろ彰化駅に着いた。
彰化扇形車庫は、正式には交通部台湾鉄路管理局(台鉄)彰化機務段(彰化機関区)で、台湾で唯一の保存された扇形車庫であり、彰化県の歴史建築である。台湾の日本統治時代の産業遺産の一つでもある。
入場無料で一般に開放されているが、平日(火~金)は13時から16時までである。
機関区の入口案内所で、書類に氏名、住所などを記入して入場する。
扇形車庫は彰化駅の北西に隣接している。彰化駅を出て、前の道(三民路)を左に200m歩き、さらに左への小道を斜めに入ると、線路沿いの道に出る。150mほど先に線路裏に出る地下歩道入口がある。それをくぐって台鉄の線路の反対側に出ると100mほど先に機関区の入口がある。
彰化扇形車庫。案内図。
彰化扇形車庫は、転車台を中心に12本の車庫線が放射状に配置され、それに半円形弧状の車庫がある。
彰化駅は、縦貫線の海線と山線鉄道との分岐点であり、台湾中部の輸送系統の重要地点となったことから、多くの機関車の修理補修のために、ここに扇型機関庫が建てられることになった。
1922年(大正11年)に建造が始まり、1932(昭和7年)年に完成した。初期の頃は車庫が6つであったが、その後増築されて1933年(昭和8年)に現在の12列の形になった。
彰化扇形車庫。彰化駅方向。
台湾の鉄道には彰化と台北・新竹・高雄港・嘉義の5箇所に扇形車庫があったが、彰化を除く他の4箇所は1994年までに解体された。
本施設も1995年に台鉄が中部電車車両基地を建設するために撤去する方針を示したが、地元民や鉄道ファン達が保存運動を行った結果、本施設を残すこととなり電車車両基地は彰化駅南側に移ることになった。
彰化扇形車庫。転車台と車庫。
彰化扇形車庫。転車台と車庫。
彰化扇形車庫。転車台と車庫。転車台の台鉄側に展望台がある。
彰化扇形車庫。展望台から見下ろす南の彰化駅方向。本線を電車が通過していった。
彰化扇形車庫。展望台から見下ろす南の彰化駅方向。
参観順路横に藤棚があり、ベンチで休む人も多い。
彰化扇形車庫。展望台から見下ろす南西方向。車庫がない場所にも機関車が留置されている。
彰化扇形車庫。展望台から見下ろす車庫。
12列ある機関車庫の屋根には蒸気機関車の排煙のために煙突が付けられている。
彰化扇形車庫。展望台から見下ろす車庫。
彰化扇形車庫。展望台から見下ろす転車台。
彰化扇形車庫。転車台。
彰化扇形車庫。DT668号蒸気機関車。
日本でSLの代名詞ともいえる「デゴイチ」として有名なD51形と同一の形式。DT668は、台湾鉄路管理局が2010年に動態復元した蒸気機関車で、日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道省が製造したD51形蒸気機関車の同型機DT650型蒸気機関車の1両である。1941年(昭和16年)に川崎車輌で製造された。
台鉄が現在所有し、現役としてイベントなどで運行される蒸気機関車は4台残されている。
彰化扇形車庫。車庫NO11に留置された CK124号蒸気機関車。
日本のC12という形式の蒸気機関車の台湾版。
1936年日本車輛製造株式会社により、C124として製造された。戦後台湾鉄路管理局が引き継ぎ、他のCK120形にならいCK124と改称される。
1979年6月、縦貫線の電化に伴い蒸気機関車は全面的に使用停止となり廃車となる。2001年4月に動態復元された。
彰化扇形車庫。CK124号蒸気機関車の側面。
入口へ戻るときに、横から姿が見えた。
実際に転車台を使った入換え作業も運がよければ見ることができるらしいが、動く気配がなく、時間もないので10分余り滞在しただけで、外へ出た。
猫鼠麺と八卦山大仏像。彰化市。
彰化は小吃の町としても知られる。彰化駅の右側から山側へ少し入った界隈に名店がそろっている。
まず、猫鼠麺へ向かったが、なぜだか営業していなかったので、その先にある彰化肉圓で昼食をとった。
彰化のランドマークとなっているのが、八卦山大仏像で高さ21.6mの大仏像が置かれている。
1961年に完成し、大仏は全身が鉄筋コンクリート製で、建造当時は東南アジア最大の大仏と言われ、台湾八景の一つにも数えられている。
彰化肉圓。1940年創業の彰化を代表する老舗肉圓店。
彰化肉圓。干貝香茹肉圓(70元)と竹筍湯(20元)。
肉圓は台湾を代表する小吃で、皮はサツマイモのデンプンで固めた伝統的な製法で作られている。餡には、肉、タケノコ、貝柱、シイタケが入っている。
美味くて腹持ちがいい。
彰化駅前の彰化客運バスターミナルへ行き、鹿港行きのバスに乗り、今夜の宿泊地である鹿港へ向かった。