2017年10月17日(火)。
台湾唯一の人面土器として、十三行遺跡を象徴する出土品である。この壷は赤褐色の砂質土器で、注ぎ口と、底の部分には円形と櫛模様が平均に施してある。
特に注目すべきことは、土壷の腹部にある生き生きとした人面造型である。うっすらと描かれた眉と切れ長の目、僅かに開きかけた口と両頬に突き出た耳などのデザインは、当時の十三行人たちが優れた製陶技術と豊かな創造力を持っていたことを知ることができる。人面土器は墓葬出土文物であることから、おそらく宗教的な意味をもっていたと考えられる。
一方、墓からは127個の完全な形をした陶器が出土した。陶器の内部には金銀、ガラス、玉の装飾品が納められていた。
胴部に雫のような模様が施されて、口縁にも帯状の紋様がある。
展示を見終わると、会議場に出た。今朝、多くの人が玄関に集合していた理由が分かった。
友善平権とは、友好的かつ平等な権利、安全でアクセスしやすい展示エリア、ユニバーサルデザイン原則などを指すようだ。外人女性の講演もあった。
財団法人原住民族文化事業基金会の発行。印刷物コーナーに置いてあったので無料で入手した。
76ページにわたり、現在の台湾原住民族についての様々な情報記事が掲載されている。
台北の順益台湾原住民博物館で類似のものを捜してなかったが、ここにあったのでうれしくなった。
十三行博物館設立については、1990年に十三行遺跡の破壊から救う事件から始まったという。
当時の台湾省住都局は、十三行遺跡の上に汚水処理場を建設する事業計画を作成した。保存を訴える考古学者の呼びかけと、それに呼応した大衆の熱烈な反響により、十三行遺跡は国家重要文化遺産二級古跡(現:国定遺跡)に指定され、一部の遺跡が保存されることになった。
1992年、行政院が台北県政府(現:新北市政府)に「十三行遺址文物陳列館」の設立を命じ2003年に十三行博物館がオープンした。
30分ほど見学して、十三行博物館前のバス停から路線バス「紅13(R13)」で戻り、バス停「渡船頭」で下車して、フェリーで淡水河を渡り、淡水を見学することにした。