平埔族ケタガラン族の一支族・毛紹翁社。芝山岩展示館。台北市士林区。
2017年10月18日(水)。
AD1400年ごろ、芝山岩地区に原住民平埔族ケタガラン族の一支族である毛紹翁社が到来し、狩猟・漁労・耕作生活を始めた。遺物には炭化した稲と大量の農具や鹿、豬、羌、魚を食べたことを示す遺物が出土している。文化のルーツを浙南閩北など中国東南部沿海部にもとめる学者もいる。
17世紀中頃にスペイン人・オランダ人と接触し知られることになった。
毛紹翁社。生活想像図。
毛紹翁社。スペイン人・オランダ人との交易。オランダ人は毛紹翁社人に鹿を大量に殺させて鹿皮、鹿脯(干し肉)鹿角を集めて輸出したので、鹿は絶滅に瀕した。
康熙初年ごろから漳州人がこの地に居住し始めた。
大臺北古地圖。原名「淡水與其附近村社暨雞籠島略圖」。1654年にオランダ人が作成。
平埔族の村落を図示。赤丸内が芝山岩地区を示す。
芝山岩の奇岩。
2200万年~2000万年前の岩石が巨石となって表れている。
太陽石など。
五色鳥。キツツキ目ゴシキドリ科の鳥。全長約20㎝。くちばしが太く、全体に緑色で、額・のどは黄、頭・顔は青、背の一部と目先は赤い羽色をしている。台湾に分布。
五色鳥。説明。
芝山岩展示館を含む芝山文化生態緑園は、台北市から委託されて台北市野鳥学会が管理している。
展示館の2階は鳥類研究の仕事場のようになっている。
ロバート・スウィンホーRobert Swinhoe(1836~ 1877年)は、イギリスの博物学者、外交官である。
台湾の領事を務めサンケイ(山鶏:Swinhoe's Pheasant、Lophura swinhoii Gould)などのアジアの鳥類をヨーロッパにもたらした。
ノーサンバーランド出身の弁護士の息子としてインドのカルカッタで生まれた。ロンドン大学で学び、1854年に中国の外交団に加わった。アモイ港に滞在し中国語に習熟し、中国東部の鳥類について学んだ。1856年に、台湾北西部を探検旅行した。
1860年にヨーロッパの国として初の台湾領事に任じられた。1861年に台湾に赴任し、開港された淡水港で領事館の再建を行った。台湾での活動や自然についての記事を発表した。
その後アモイ、寧波、芝罘の領事を務め、全権大使ラザフォード・オールコックのために移動領事を務め、海南島や四川省、重慶、長江まで旅した。
業務の傍ら、ヨーロッパに知られていなかった鳥類、魚類、哺乳動物、昆虫を調査し、博物学の標本として収集した。1862年に標本とともにイギリスに戻った。多くの鳥類はジョン・グールドの『アジアの鳥類』(Birds of Asia :1863)に記載された。イギリス鳥類協会の雑誌、Ibisやロンドン動物協会会報などに定期的に寄稿した。41歳で没し、残された3700の彼のコレクションは、ヘンリー·シーボームに買収され、その後、リバプール博物館に遺贈された。
芝山岩展示館の展示により、先史遺跡としては、山頂付近に柱洞遺跡があることを知ったが、もう一度登る気分になれなかったので、本日の見学を終えて、宿へ帰ることにした。