加山雄三(1937年~)は、日本のポップス・ロックの草分け的存在であり、多くの名曲を作曲している。
私は、映画の若大将シリーズの主演男優として1960年代前半から名前だけは知っていた。学校の遠足で同級生が、ホウキをギターがわりに数人で「夜空の星」、「蒼い星くず」を歌っていたのは、1965年秋ごろと記憶している。「蒼い星くず」は1966年4月発売のようだが、ソノシートの著作権クレジットでは1965年の作品となっている。
「君といつまでも」が、1965年12月に映画『エレキの若大将』主題歌として発売されて350万枚の大ヒットになり、国民誰もが知る歌手となり、1966年12月の紅白に初出場している。「君といつまでも」が実際にヒットしだしたのは、よく分からないが、1966年春ぐらいか。
1966年6月にビートルズが来日したが、当時はビートルズには関心がなかった。しかし、ベンチャーズなどのエレキブームでは、ラジオを聴けば必ずエレキサウンドが聴かれて、その音楽そのものには好感は持っていた。
そういう音楽状況の中で、「君といつまでも」が大ヒットし、エレキをフューチャーした「夜空の星」、「蒼い星くず」もテレビなどでよく視聴するようになり、ファンになった。今でも、敬愛している。
「加山雄三 DELUXE」というケイブンシャ・ハイシート10曲入りを購入したのは、1966年夏から秋だろうか。レコード盤ではなく、厚いソノシート盤である。
データでは、「恋は紅いバラ」(1965年6月15日)、「君といつまでも」「夜空の星」(1965年12月5日)、「.蒼い星くず」「夕陽は赤く」(1966年4月5日)、「お嫁においで」(1966年6月15日)、「.夜空を仰いで」「旅人よ」(1966年10月15日)となっており、このあたりまでが、全盛期といえる。
これ以降はスパイダースの「夕陽が泣いている」(1966年9月)から始まるグループ・サウンズ・ブームが日本のミュージックシーンを席巻し、歌番組で毎日見る状況が数年続いた。
ロック調では「蒼い星くず」、「夜空の星」、ポップス調では、「旅人よ」、「夕陽は赤く」、「.夜空を仰いで」が音楽史上に残る名曲。
ハイシート盤では、前記のほか「麗しき乙女たち」、「ブーメラン・ベビー」、「ランニング・ドンキー」が佳曲。
TVドラマ「これが青春だ」(1966年から1967年)に出演していた、キュートな女優・松本めぐみと結婚したのには驚いた。