「素直になれなくて」(Hard to Say I'm Sorry)は、アメリカのロックバンドであるシカゴが1982年に発表した楽曲で、代表曲のひとつ。
シカゴは1969年に2枚組アルバムでデビュー。1970年に「長い夜」が大ヒットを記録し、ブラス・ロックの代表格として人気を確立した。
1970年代後半からはAOR路線を歩むようになり、1980年代に入って、デイヴィッド・フォスターをプロデューサーに迎えて復活した。以後は1982年の「Hard to Say I'm Sorry(素直になれなくて)」(1982年ビルボード年間12位)など、ラブ・バラード路線のヒットを出した。
「Hard to Say I'm Sorry」はバンドメンバーのピーター・セテラとプロデューサーのデイヴィッド・フォスターが制作した。同年、全米1位。日本でもオリコン洋楽シングルチャートで1982年11月に1位を獲得した
この曲は、シカゴがホーン・セクションを中心にしたソフトロックスタイルから大きな転換をみせた曲である。ホーンは最小限に抑えられ、その代わりに1980年代の流行であるシンセサイザーと、重く歪んだエレキ・ギターが中心となっている。
シカゴのメンバーからは、リードボーカルとベースのピーター・セテラとドラムのダニー・セラフィンが参加し、ピアノはプロデューサーのデイヴィッド・フォスター、敏腕セッションマンとして知られるTOTOのデヴィッド・ペイチとスティーヴ・ポーカロがキーボード、スティーヴ・ルカサーがギターを演奏している。
デイヴィッド・フォスターはカナダ人の作曲家・プロデューサーで、数多くの楽曲を作曲し、グラミー賞を15回受賞している。日本の歌手にも楽曲を提供しており、松田聖子の「抱いて…」(1988年)の作曲者でもある。
ピーター・セテラは1985年にシカゴを脱退し、ソロになった。2016年シカゴがロックの殿堂入りするときの記念演奏に、セテラが加わる動きもあったが、ボーカルの扱いで意見が分かれて実現しなかった。
ベストヒットUSAを見ていたら、いきなりこの曲が登場し、これがあのシカゴかと驚いた記憶がある。